留学生「幽玄」体感 能楽ワークショップ10年[熊本] 2012年02月03日

[植木の西瓜] 発 “みんな元気ですよ~!”
能の衣装を留学生に着せ、解説する狩野※鵬さん(右)=熊本市の県民交流館パレア


 熊本ユネスコ協会(中山峰男会長)が留学生や外国語指導助手(ALT)向けに毎年開いている能楽ワークショップが10周年を迎えた。
留学生らはユネスコの無形文化遺産に登録されている能楽の「幽玄」の世界を体感し、日本への理解を深めている。

 ワークショップは同協会が、日本文化に親しんでもらおうと2003年に始めた。
指導は、同協会会員でフランスに能舞台を贈り、現地で能を教えるなど国際的に活躍する狩野※鵬[しゅうほう]さん(74)=熊本市=を中心とした喜多流能楽師が担当している。

 1月28日、熊本市の県民交流館パレアであった講座には、留学生ら約40人が参加。狩野さんが動作の基本である「構え」や「すり足」と、能面の由来について解説すると、参加者は通訳に耳を傾け、熱心にメモを取ったり、写真を撮ったりしていた。

 カナダから熊本学園大に留学中のアンナ・ファストさん(21)は、日本人でもめったに着ることができない能楽の衣装をまとった。
「重さ15キロと聞き驚いたけど、いい経験ができた」と満足そうだった。

 狩野さんは「少しずつではあるが、留学生が日本の伝統文化である能楽に触れる機会を持つことができ、ありがたい」と話し、すり足によろめく参加者を見守っていた。

 同協会は1972年設立。
140団体・個人の会費で運営される民間の文化団体で、子どもの絵画展なども開いている。(星原克也)

※=王へんに秀


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