今週発売された「週刊プレイボーイ」誌上で、米陸軍第82空挺師団の一員として、不朽の自由作戦 に参加、アフガニスタン でのタリバンやアルカイダ残党の掃討作戦に従事した飯柴智亮・元米陸軍大尉と対談。


佐藤正久オフィシャルブログ ”守るべき人がいる”

飯柴・元大尉は、日本で生まれ育ち、米国ミシガン大学でROTC(予備役将校訓練過程)を受け、その後、米国の市民権を取得し、陸軍大尉にまで昇任した好漢。

今は、米国人だが、祖国・日本の国防の原状を憂い、様々な場面で発信している。


佐藤正久オフィシャルブログ ”守るべき人がいる”

以下は、プレイボーイ誌上対談「佐藤正久×飯柴智亮 もし田中防衛相が上官だったら、現場の部隊は無視して勝手に動きますね!」の一部抜粋。

──もし戦場で田中大臣が指揮官ならば、その部隊は全滅でありますか?

佐藤>そりゃもう、彼の意向を無視して勝手に動きますね。武器輸出三原則と武器使用基準を間違うなんて、普通ありえません。

飯柴>自分がアフガンで戦っていたとき、指揮官があまりリーダーシップのない人でした。やはり現場は暗黙の了解で、その指揮官を無視して、とりあえず自分たちでやろうという雰囲気でしたね。

──沖縄・普天間問題はどうすればいいでありますか?

佐藤>普天間問題は、沖縄の負担軽減と抑止力維持というふたつの面があります。民主党は「迷惑施設をどこかに移す」という感覚で県外とか国外とか言っていました。でも、普天間の海兵隊のヘリコプター部隊を2200㎞離れたグアムに持っていくということは、例えば、我々が東京に住んでいて駐車場をグアムに借りてクルマを置くのと一緒。だから、県外、国外移設は論外なんです。

飯柴 その通りです。自分が米陸軍の第82空挺師団にいたとき、駐屯していたフォートブラッグ基地の隣にポープ空軍基地がありました。だから82空挺師団は24間以内に世界中のどこにでも降下できた。展開する部隊と運ぶ部隊は隣接していないと、軍は機能しません。

佐藤>軍事的側面から、どうやって抑止力を維持しつつ、負担を減らすかを解いたひとつの解が、辺野古沖なんです。

飯柴>普天間問題は、日本では沖縄という地方の問題になっています。しかし、米国としては中国を仮想敵としたジョイント・エアシー・バトル(空と海の統合戦闘)の拠点のひとつが沖縄。日本の一地方の問題じゃないんです。

──では武人としてのおふたりから、今の日本の若者に言いたいことはありますか?

佐藤>私は、あせらず本物を目指してほしいと思います。そのためには現場を経験してほしいですね。修羅場、土壇場、正念場っていうのが本当の現場。日本に今ある本当の現場は、被災地です。若者はそこに足を運んで、実態を肌で感じてほしい。私は将来の日本のリーダーは東北から生まれると思います。東北の子どもたちは普通で経験できないような現場を踏んで、がんばってますから。

飯柴>若者が成長するには修羅場をくぐらなければなりません。米軍でも、イラク、アフガンで実戦を経験して帰ってきた兵士は全然違います。どんな道を進むにしても、修羅場をくぐってください。(終)