オセロ中島さんから学び取る心の医学! | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
2012-03-01 02:49:20

オセロ中島さんから学び取る心の医学!

テーマ:【吉田たかよし】のTV・ラジオ出演日記
FM「Oh!Happy Morning」

今朝、番組で話した内容をコンパクトにご紹介します!



オセロ中島さんから学び取る心の医学!



・私が注目しているのは、オセロの中島さん。

占い師の女性からマインドコントロールを受けているのではないかと、連日、報道されている。

医者の目から今回の騒動を見ると、私たちの心を守るヒントが見えてくる。



・ぜひ、皆さんに知っていただきたいのは、家に閉じこもる危険性。

オセロ中島さんは、大変に頭のいい方。

なんで、いかがわしい占い師に引っかかってしまったのか、疑問に思う人も多いでしょう。

失恋など原因はいろいろあると思いますが、自宅に閉じこもってしまったことも原因の一つであるのは間違いない。



・自宅に閉じこもると、脳の中にある扁桃体という部分が過剰に反応してしまう。

そうすると、不安や恐怖心が勝手に暴走してしまう。

その不安や恐怖心から逃れたくて、占い師や、場合によっては詐欺師の言うことを鵜呑みにする。

実は、自律神経が不安定になった患者さんに対して、問診したり、カウンセリングを行うと、こういうケースが結構ある。



・実は、人間の脳には、暗くて狭いところに閉じこもっていると、不安や恐怖心が広がるという本能をどなたも持っている。

これは、原始時代に生き残るのに役に立ってので、人間の遺伝子に組み込まれたと考えられている。



・大昔、私たちの祖先は、敵に襲われることが何度もあった。

そんなとき、穴の中に隠れて生き延びた。


・でも、狭い穴の中は窮屈なので、普通は外に出たくなる。

そうすると、敵に見つかって殺されてしまった。


・そんな中で、たまたま、穴に入ると不安や恐怖心が広がるという本能を持っている人だけが、
いつまでも穴の中に閉じこもって、結果として生き残ることができた。

私たちは、その子孫ですので、こうした遺伝子を受け継いでいる。



・今では、家に閉じこもると、不安や恐怖心が暴走してしまうプロセスも解明されている。

室内でいくら照明器具をつけても、外よりは、はるかに暗い。

そうすると、脳の中で癒しホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されにくくなる。



・このセロトニンは心を穏やかにする作用があるため、これが不足すると、不安や恐怖心が暴走しやすくなる。

・この他、そよ風を肌で感じること、自然の音を聞くことも、心を穏やかにするのに役だっていて、閉じこもるとこうした刺激がなくなるのも脳によくない。



・現代社会は、ストレスが満ちあふれている。オセロ中島さんのようになる可能性は誰にでもある。

ぜひ、落ち込んでも家に閉じこもらないようにしてもらいたい。

し、外に出るのがどうしても辛かったら、ベランダに出て、外を眺めてもらいたい。