太郎は広島の地元の大学を今年卒業するが、就職活動は上手く行かなかった。考えた挙句、
「恋人のあきことお好み焼き屋を開業する事」
 これを決意する。
地元のソース会社の研修を受け今広島市内の中心部のお好み焼き屋で開業目指して修行中である。
「あきこちゃん、わしらの店はカープファンで賑わうようなスポーツバーお好み焼き屋を開業しようや」
 この太郎の言葉に、
「ほんまじゃねえ、がんばろうや。大学の同級生も応援してくれるじゃろうて」
 あきこがこう言葉を返した。
「あきこちゃんはカープのだれを応援するんや」
「やっぱり、うちらと同い歳の野村投手じゃねえ」
 二人の楽しいやり取りの後、太郎葉真剣に、
「野村投手がんばってくれえのう」
 と言ったのだった。
             作 二宮正治