東日本大震災から一年目の3月11日 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

東日本大震災から一年目の3月11日

東日本大震災から一年目の3月11日、私は郡山の開成山野球場で行われた「原発いらない福島県民大集会」のステージに立った。

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大江健三郎さんらの呼びかけに応え、福島県や県外からのたくさんの賛同のもと1万6千人の人々が寒空の中、球場のスタンドを埋め尽くした。
この日は1時から私の他に地元の合唱や詩の朗読を含むオープニングコンサートがあり、2時からは県民大会。2時46分の黙とうの後、市内をパレードすることになっていた。
早朝には雪がパラついたというのに、私が会場に着いた時には太陽も顔を出し、予想を覆す奇跡的な晴れ。
私は、センチメンタルシティーロマンスのメンバーの中野督夫、細井豊、それにピアノの江草啓太の3人のバックでまず「Now is the time」
「今この瞬間、同じ時を生きている」冒頭の歌詞から最後の「レット チェンジ アワ ライブズ」まで、この日のテーマに歌詞がぴったりはまり、野球場のスタンドを埋め尽くした人たちの心とつながった気がした。
被災後に書いた「今どこにいますか」「命結」はもちろんだけど、「百万本のバラ」を歌った時も、この歌がチェルノブイリを経験したソ連が、国ごと変わっていく頃の象徴的な歌だったこと、この歌の原曲を歌ったアーラ・プガチョアがチェルノブイリ原発直後に被災地で大コンサートを開いたことなどを思い出し、感無量だった。
最後にはビートルズの「オール・ユーニード・イズ・ラブ」と「パワー・トゥー・ザ・ピープル」をリピート以外は私の日本語訳で歌った。
最後のリフレインで今日の県民大集会の登壇者がステージに上がり、県民大集会がはじまった。
鎮魂と怒りと祈り。
この大変なテーマをどうにかオープニングを受け持ったものとしてやり遂げることが出来た。

さて、その後は、新幹線で東京に帰り、日比谷公園で開かれた「Peace On Earth」に飛び込んだ。
この日アジアンカンフーの後藤正文君といっしょに原発の想いを語った坂本龍一さん、黙祷をリードしたC・W・ニコルさん、自然エネルギー政策を提言している飯田哲也さん、そしてグリーンアクティブの中沢新一さんなど、大変な顔ぶれがラインナップ。
その後で、30分くらいの私のライブもあった。
途中、鎌田實さんに詩の朗読をして頂き、深いメッセージが出来たと思う。
もちろん最後は「パワー・トゥー・ザ・ピープル」の大合唱。
集まってくれた人たちの熱気あるまっすぐな表情、脱原発の想いを持って結集したアーティストたちとの出逢いは、うれしいものでした。


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残念だったのは、この日かけつける約束をして下さった鳥越俊太郎さんが急用で来られなかったこと。
ちょうどこの日が対談「命を結ぶ」の発売日で、対談のお相手の鎌田さん、C・W・ニコルさんと鳥越さんが並ぶとすごいな、と思っていましたが…。
これとは別に数日前になかにし礼さんがガン闘病のため仕事を休止されたことも気になります。本当に大切な人たちには元気でいてほしいので、一刻も早く回復されることを祈るばかりです。
3月11日発売の本「命を結ぶ」は、今週には本屋さんに並ぶと思うので是非読んで下さい。3月18日には、午後2時から八重洲ブックセンターで「命を結ぶ」のトーク&サイン会があります。是非ご参加下さい。