東日本女子駅伝が11月13日(日)に福島市でおこなわれます。
 コースは福島市信夫ヶ丘競技場~国道4号~国道115号~フルーツライン折返し日本陸連公認「FTVふくしま」マラソンコース(9区間 42.195km)です。

 9区のうち5区間を高校生3人、中学生2人が走ります。高校生、中学生ランナーを育成するレースといえます。

 今回は東日本大震災の影響で開催があやぶまれていましたが、紆余曲折を得てどうやら開催するようです。開催を中止すべきだという根強い声もあります。なぜかというとコースにあたる地域はいぜんとして放射線量が高レベルにある。毎時0.5ミリ~2.0ミリシーベルトで、管理地域になっているからです。

 同地でも園児や児童は、戸外での活動に制限をくわえている。だから高校生、中学生を走らせるのはやめたほうがいい……というのです。確かに瞬間風速的な外部被曝はたいしたことがないのかもしれませんが、問題は内部被爆でしょう。ここでも内部被曝の問題はスルーされているようです。

 成人に達した大人のランナーはともかく、若い未婚の女性を、走らせないほうがいい。これはひとつの見識です。10年後、20年後に何かがあったら、いったい誰がどのような責任をとるのか…というところにゆきついてしまうからです。

 大会を中止に追い込むべきである……という運動がWEBサイトにもあり、そのために開催者側も、いささかあわてとまどっていたようです。公式サイト(http://ekiden.fukushima-tv.co.jp/index.html )に、出場チームのエントリーが開催3日まえの昨日になるまでアップされなかったというのは、異常な現象というほかありません。

 中・高生を走らないようにするには、大会を中止するほかないでしょう。けれどもいまとなっては誰一人として、開催中止の強権を発動することはできません。

 駅伝コースになっている地域には毎時1マイクロシーベルト以上の区域がたくさんあります。それはうたがいようもない事実です。だから総じていえば、そのうえで大会に出場するということは自己責任の領域にあるといえます。

 一般・大学生のランナーは、事態を自分で判断できる年齢にあるのだから、大会出場が自分の判断であるかとどうかを問わず、結果については自ら責めを負わねばなりません。

 けれども中学・高校生の場合はどうでしょうか。監督やコーチから「安全だから走れ!」といわれたら、彼女たちは何のうたがいもなくしたがうでしょう。そんな彼女たちに果たして自己責任を問えるのかどうか?

 東日本女子駅伝の開催は、きわめて日本的な、ひいては原発事故によるさまざまな「無責任」を象徴的にものがたっているといえます。