#5307 緩衝 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

二度の世界大戦、冷戦、文明の衝突を通して、世界中に手を拡げすぎたアメリカ。

 

この拡げすぎた版図を、持続可能な範囲にまで縮小させることが、トランプ政権のミッション。

 

ただ、いきなり手を引くワケにはいかない。

 

たとえば、在韓米軍を引き上げるためには、北朝鮮問題をチャイナが完全にコントロールできるようにしておく必要がある。

 

なんにせよ、近い将来、米軍はグアム(この地図の上下で言えばほぼ真ん中、左右で言えば右半分のさらに真ん中ぐらい)まで撤収する。

 

撤収するんだけど、そうすると、この直角二等辺三角形みたいなエリア、人民解放軍海軍の用語で言うところの第一列島線と第二列島線の間が、ぽっかり空いてしまうことになる。

 

アメリカからしてみると、ここに人民解放軍海軍が出てきてもらう、つまりグアム近傍で相対峙することになるのは、困る。

 

じゃあ、人民解放軍海軍は喜び勇んでホイホイ出ていくかというと、まだここ数十年は、ここまで戦線を伸ばしたり拡げたりするだけの力はない。

 

なので、ここに緩衝地帯が出来るのは、口先で何を叫ぶかはともかく、アメリカにとっても人民解放軍海軍にとっても、歓迎すべきことのはず。

 

これ、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、パラオ、そして日本が連携すれば、できないことではない。(オーストラリアやNZまで拡張することも可能、台湾はここでも微妙)

 

ここに登場する国々というのは、TPP11から北中南米の4カ国とシンガポールを除いて、インドネシアとパラオを加えた枠組みでもある。

 

少なくとも、ぼくはそういう目で、このTPPの交渉を見守ってるんだ。