コビーズでは様々な境遇の子どもたちを受け入れています。

 

既に卒業した選手の話です。

非常に残念なことではあるのですが、、、野球が大好きで、将来はプロ野球選手を夢見ている少年が指導にあたる大人から嫌味なことを言われたり、無視をされたり、差別などパワハラを受け心身ともに傷つき、親御さんと一緒に困り果てて相談にやって来ました。「野球をやめようか悩んでいる」と。

 

中学生ですから、まだまだ未熟な部分が多いのは当然です。だからこそ、ちゃんと教えてあげなければならないし、指導者も一緒に成長していかなければならないのですが。大人の方に根気がなく諦めてしまったようです。人として道徳を教えなければならない立場の大人が、大人気ない対応で子どもから野球をする機会を奪ってしまうことほど情けなく悲しいことはありません。パワーバランスの大きい大人が子どもに圧力をかけ、チームを辞めさせようとでもしているのでしょうか?その子は一生懸命トレーニングに取り組むし自分なりのビジョンをしっかり持っていました。確かに表現力は未だ乏しく、勘違いされることもあるタイプの子ですが、成長過程なのですから寛容さを持って接してあげるのが大人ではないでしょうか。

 

これまでお会いした多くの少年野球指導者の方々が、子どもたちに野球を通じて健全な育成をしよう、チャンスを増やしてあげようと尽力されている中、足元を引っ張ってしまう人がいるのが悲しくてなりません。

 

差別やパワハラ、道理としてはあってはならないことですが、社会に出ればそういう経験を受けることもあることなのかも知れません。しかし、あえて少年野球チームで、それも指導を行う側の大人がまだ未熟な中学生を相手に行うことには野球人として悲しく腹立たしいばかりです。「青少年の健全育成」を掲げ活動をしているようですが呆れてしまいます。子どもたちが可愛そうです。国が国なら「虐待」で訴えられますよ。

 

それぞれ少年野球連盟にはチームを脱退すると数ヶ月間、入部を受け入れられない、若しくは試合への出場が出来ないというルールがあり簡単に退部・移籍ができないようになっているため、我慢して在籍し続ける選手もいるようです。しかし、選択の自由が法律でも保証されているわけですから様々な指導方針があっていいし、それを選ぶ事ができても良いのではないでしょうか。子どもたちの成長の機会を作ることが目的であればルールの改正も必要なのではないでしょうか。少年野球連盟では、そんな子どもたちを守るためにコールセンターのような窓口を設置しても良いのではないんでしょうか?泣き寝入りしたまま野球を辞めていくことがどれだけ野球界にとって不幸なことか…。そんな仕組みで本当に良いと思っているのでしょうか?

 

以前、野球が大好きな小学生を持つ親御さんから「学業を疎かにされたり、大声で罵倒されながら管理されるみたいだし、教育的によくないから本当は先(中学生とか)では野球をさせたくないんですよね…」というストレートなお言葉を頂きました。もちろん「違いますよ!野球は人生を学べる素晴らしいスポーツです!」と事細かに説明し納得して頂きましたが、、、。それが、福岡では保護者の方の一般認識になっているのだと危機感を感じたこともあります。その現実から我々野球人は目を反らすのではなく、改善に取り組んでいかなくてはならないと改めて感じさせられました。

 

どうか、野球を愛する子どもたちに夢と希望、そして愛のある指導・活動をして頂きたい、そんな大人が増えて欲しいと心から願います。

 

あまりにも被害にあっている子どもたちが不憫に思い書いてしまいましたが、「罪を憎んで人を憎まず」。一人でも多くの人達やその様子を眺めているだけの人達がことの重大さに気付いて、子どもたちのためになる方法を考え取り組んで欲しいと思います。