切開式重瞼術+ROOF除去〜術後1ヶ月でどこまで変わったか?〜
今回は症例写真をお見せしながら、切開式重瞼術+ROOF除去について書きます。
症例は“目の上が腫れぼったく、その重さで上まぶたが開きにくい” が主訴でした。
このような症例ではどのような施術が適しているのか?
診断が大切になります。
まず気になったのが、正面視の時に瞳孔に瞼縁がかかっていることでした。
この時点で眼瞼下垂を疑っています。
また腫れぼったい原因は何か?
私は患者様に
「夜泣いて寝た時や、水分を多くとった時、うつぶせで寝た時に翌日目が腫れますか?」
と尋ねます。
今回の患者様は、
「いつもこのような感じで腫れています。
またまぶたは常に重く、目を開けるときに眉毛を大きく上げます」
という回答でした。
そこから眼窩脂肪よりはROOFを除去したほうがよさそうだと考えました(*)。
(*)理由は諸説ありますが、ROOF脂肪はむくみなどにあまり影響されない“かため”の脂肪です。
一方で眼窩脂肪はむくみに影響される“柔らかい”脂肪です。
最後に診察し、瞼縁角膜反射距離(Margin Reflex Distance;MRD)と瞼裂高などから眼瞼下垂と診断し、
挙筋腱膜の処理と、ROOFを除去することにしました。
施術前の開瞼時と閉瞼時です。
改めて見ても外側眉下に膨らみが目立ちます。
それでは切開式重瞼術+ROOF除去を説明します。
その前に上眼瞼の解剖を整理しておきましょう。
ROOFは眼窩隔膜前脂肪ですから、眼窩脂肪は断面図でROOFの後方に位置しています。
また眼瞼下垂もあることから挙筋腱膜とミュラー筋の位置関係も整理しておきます。
今回はROOF除去と同時に挙筋腱膜を前転して下垂症状の改善をはかります。
ROOFの解剖です。
ROOFは眉下切開から取りやすいですが、
重瞼予定切開部からアプローチしました。
先にROOFを除去し、その後挙筋腱膜を処理します。
ROOFを同定し止血を丁寧に行いながら除去していきます。
それでは最後にbefore & afterで確認しましょう。
施術後1ヶ月の状態(開瞼時)です。
まだまだ瞼縁から切開線までが腫れていますが、
目の開きが良くなっています。
瞳孔にかかっていた瞼縁は上がり、
黒目がよく見えるようになり目元の印象が良くなりました。
施術後1ヶ月の状態(閉瞼時)です。
1ヶ月ですので、
まだまだ傷は赤いですが、傷が落ち着く数ヶ月後が楽しみです。
ラインの変化、傷跡の経過など今後経過はアップしていきます。
*ラインが安定するのは最低6ヶ月、傷の赤みが改善するのは3〜6ヶ月かかります。
適切な診断と治療を選択し行うことで、
かなり目もとがスッキリした印象にかわります。
また目の開きもよくなり今後の経過も期待できます。
丸山成一
※before &afterの画像についてのご注意
写真はあくまで参考画像であり、症例により効果や満足度は異なりますのでご了承下さい。
※リスク・副作用・合併症
内出血、腫脹、左右差、脂肪を除去した部分の陥凹、浅い重瞼線、固定糸が外れラインが薄くなる、深い重瞼線、不整な重瞼線(予定外重瞼線)、不整な瞼縁(アーチ)、開瞼抵抗、低矯正(目の開きが悪い)、過矯正(目が開きすぎる)、角膜炎、ドライアイ、傷の哆開(しかい;傷が開く)、 瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が目立つ可能性がある)、中縫いの糸が出てくることがある、縫合糸膿瘍、眼瞼痙攣、抑うつ・不眠など自立神経症状、頭痛、目の奥の痛み、 自分が想像していた結果が異なるなどが考えられます。