(イベントタイトルの正式名称は、 「AZAZEL ONEMAN LIVE~楽屋にAZAZELしかいないとか信じられない!初ワンマン!~」 。)

 

目黒を出て、山手線を新宿方面へ。で、代々木で乗り換えて総武線の黄色い電車で吉祥寺。CRESCENDO。

目黒より前に予約していたAZAZELのワンマン(ワソマソ??)。ドラムのMayo嬢はM.D.M.Sでも何回か見ているがAZAZELは1年以上ぶりになってしまった。(M.D.A.Z.E.Lっていう混合バンドのもあったけどね。)
定刻丁度に暗転し幕が開き、SEが流れる。メンバーが次々と登場。1曲目は"Spica"!ファースト・アルバム「3513 CHAIN OF A」の2曲目に入っているスピーディな人気曲である。すでに最前列にはコアなオーディエンスが一気に押し寄せて暴れている!リズム隊は物凄くガッチリしており、昔から特にベースのドライブ感は凄く響いてくるものがあったが、さらに芯が太くなっている感じだ。ツーバスが絡むところもメリハリが利いている。またサウンド・バランスも良好である!ギター・ソロでは空也嬢はセンターに出て来て、3人のフロント陣は全員最前列を煽る!
続いて、スネアだけのアクセントが印象的な"Howling"へ。こちらはツーバスの連打が続く所もあるが、リズムは非常にタイトだ。さらに1か月前にリリースしたばかりのミニ・アルバムのタイトル・トラック"Inside Reflection"を演奏!

「AZAZEL初のワンマンへようこそ!…実は、こんなにいっぱいになるとは思わなかったよ…ありがとうございます!」前売りはソールドアウトになり、後ろまでぎっしりの状態である。「存分に楽しんでいってね!」と言って、スネアがポイントなったドラムのフィルから始まる"DRAW"へ。短い曲だが、色々なリフ展開を持つ曲だ。後半のMiyabi嬢のグロウルも攻撃的でライヴでは特に映える感じである。
そして、へヴィなパワーコードが流れて、オーディエンスの「ウォイ!!」のコールが響き渡る。"Never..."というタイトルのこの曲は音源にはなっていない曲で、YouTubeには公式のライヴ動画はある。スカ的なウラの刻みのリフだが、なかなかに重い。そして途中にはドラム・ソロ、ベース・ソロ、それに続いてギター・ソロという構成があったりもする。続いて、少し切なさを持つメロディの"Revive"。後半刻むリフの部分が特徴的だ。

「みんな、水分補給してる?まだまだこれからAZAZELの時間が続くからね!」とMiyabi嬢のMC。「(ライヴ開始までは緊張して?)本当に何も食べれないぐらい」と言った途端、Mayo嬢の「え~いっぱい食べてたじゃん!」とのツッコミ。「そんなに食べてないよ~。」などのやり取りは面白かった。「ツアーとしてはファイナルだから、もっと盛り上げて行こうぜ!!」と言って、最新ミニアルバムから"Still"。ベースのイントロから始まり、ギターのリフが乗る。ラストのサビで絡むツーバスがタイトで重く、素晴らしい。「Next song、"Go ahead!"」とタイトルコールして、印象的なベースのラインがそのままリフになって先導する。オーディエンスはツーステップして呼応!シャウトで一旦演奏をブレイク、ドラムのフィルから再開する。とてもドライブ感のあるナンバーだ。
"Angel's stairway"とタイトルコール。うねるリズムの少々メロウな曲で、歌詞は全部英語である。中間のバック陣の4回のリフのユニゾン部がとても印象的だ。ラストのエンディング・ソロはエクステンデッド・ヴァージョンとなり、空也嬢はステージのセンターで弾きまくる!

そして、ここで一旦幕が閉じる。第一部と二部に分けているのかな?と思ったが、そうではなく、ここから「空也の部屋」という空也嬢のしゃべり&諸々のコーナー。内容は、実はアメブロやYouTubeでやっているものの延長と言っていたが、ここでMiyabi嬢を呼び込む。空也パイセンとオーディエンスの「かわいい、Miyabiちゃ~ん♪」というコールで出てくるMiyabi嬢。「何故かここにアコギがある。」などと空也嬢は言っていたが、ワンマン特別のアコースティック・コーナーでファースト1曲目の"Helix"をアコースティックで演奏。その間、ほとんどのオーディエンスはフロアに座る。しかし、やはり先日の「LUNATIC FEST.」の"X"のアコースティックなどもそうだが、激しいナンバーがアコースティック・アレンジされた時の落差はなんとも言えない物があるが、AZAZELのこの曲も独特のコードワークでとても味わい深かった。
ゴーというSEからドラム・ソロ。いきなり叩いて「スナッピーが入ってない!」と悲鳴のMayo嬢。ドキドキ!タム中心のフィルが終わると、「ドラムソロですが、これから"森のくまさん"を歌いながら叩きます!みんなも歌って!」と言って、8ビートの上で"森のくまさん"を歌うMayo嬢。途中からシャウトしてしまっていた部分もあったが、なかなかに魅力的な歌声で、「あれ?Mayoちゃん、歌うまいじゃん!」と意外な(失礼!)発見であった。その後はツーバスの連打が絡み、そのままドラムのリズムの上で、Yuri嬢のベース・ソロ!やはり彼女のベースは安定感がある。実際は、後で「もうベースソロなんて嫌だ、もうやらない!」と言っていたが…いや~今後もやってほしいし、AZAZELの武器の一つだと思うのだが。

その後トライバルなドンドコ…のリズムでMiyabi嬢と空也嬢が再び登場して、「いよいよ後半戦だよ!え?『Yeah!』なの?こういう時って『え~??』なんじゃないの?」というと、オーディエンスは「え~~?」となる。(笑)「全員で暴れて行きましょう!」と言って、"Untamed Heart"。ギター・ソロ前のブレイクが印象的であった。続いて、"Shadow Town"。ベースがメイン・リフを弾いてスタート。Aメロの楽器隊のリズムと絶妙にユニゾンしているヴォーカル・ラインから"Hey!"が印象的なサビへと。中間では下降するピックスクラッチからベースがリードし、バイオリン奏法と囁く英詞のヴォーカル…まさに「影の街」という雰囲気を醸し出す。
告知のMCをした後、「みんな疲れてる?後ろの方、大丈夫?」というと応えるオーディエンス。「あと4曲しかないよ!」と言って煽りつつ、"Song for"へと。最新ミニに収録されているメジャー・キーのちょっと新機軸的なナンバーである。だが、途中にはYuri嬢の攻撃的なグロウルもあったりする。さらに同じくミニ・アルバムから"Fall down"。こちらは2ビート中心のかなりアグレッシヴな曲で、Miyabi嬢もYuri嬢もグロウル多用!サビはもちろんキャッチーなAZAZEL節ではある。中間でメタルコア的なビートダウンもある。「こんなんじゃ足りないから!もっともっと!!」と煽り、遂に出た"EGOIST"では、大モッシュ・サークルが出来上がった。キャッチーなサビにYuri嬢のギャング/グロウル・コーラスが絡む様、そしてそこに印象的なメイン・リフ…完全にAZAZELの代表ナンバーである。
「大切な人達に歌います。」とラストは、バラードの"Keep holding my hand"。ギターのアレンジには少々LUNA SEA的というか、昨今のポスト・ロック的な雰囲気も見えるが、今回のミニはそういう意味では新しいトライが沢山見える感じだ。ラストのリタルダンド、パワー・コードで本編終了。

アンコールのコールが「早く!早く!」 とか「あと3分!あと3分!」とかになっていて、バンド名のコールでも「アンコール」とかでもないのがなんとも凄い!10分近く経ったかで再登場。みんなTシャツを着ている。
Yuri嬢のMCがあって、ワンマン前の夢の話。夢占いの話に展開。そして空也嬢もまた夢の話をしたら、Yuri嬢が「じゃあ、夢占い占ってあげるよ。」という話で色々…。この後は、ちょっとシリアスに…さきほどの「空也の部屋」でもCRESCENDOにはアコースティックの弾き語りで出た事もある、と空也嬢は語っていたのだが、実際昔、コピーバンドで初めてライヴをやったのもここであり、それから色々な出会いがあり、今回CRESCENDOという場所で、ワンマンという形で新たなスタート地点に立てたという事で、昔の事などを思い出し、涙を流して感謝の意を述べていた。「でも、みんなもうワンマンやるの大変だから最初で最後にする、とか言ってますけど、次にやる時は武道館クラスのワンマンでやります!」と述べると、オーディエンスからは喝采の嵐!Mayo嬢からは、「すっごい大変だったけど、すっごい楽しかった!」と一言。そして、「AZAZELのまずいの、もらい泣きしちゃうのがあるじゃん…って、あ~これはヤバイよ。」と言いながら、Miyabi嬢も泣きながらこれまでを回想しつつ、「本当に私はこの3人に出会えて良かった、と思ってる。」と言って、ワンマンにたどり着けたことを語った。
アンコール1曲目は「今度は一緒に歌ってね!!」と、さきほどアコースティックでもやった名曲の"Helix"!!サビのキャッチーさは一度聴いたら忘れられないものがある。さらにラストのラストに「"DISCLOSE"!!!」と大きくリバーブをかけてタイトルコール!後方でよく見えなかったが、おそらく大きなサークルモッシュが行なわれていたように思う。
オーディエンスを含めて記念撮影をして終演。

AZAZELというバンドは、結成したのが2014年末、初めて見たのは2015年の春のLIVE STATIONでの「WOMEN'S POWER Vol.58」だった。それ以降、3年半ほど地道にライヴを行ってきたという印象がある。この3年半という年月の中では所謂ガールズ・ロック/メタルのシーンは(それ以外でもだが。)物凄い数のバンドが現れ、また消えていった…それはそれぞれのバンドの内情は分からないが、AZAZELに関しては、全くのメンバー・チェンジもなく、しっかり初心を通してやってきた(余談だが、かなりアウェーな対バンでもやってきており、APOLOGISTとも共演した事もある。)という蓄積が、今日のライヴに、その音に現れていたと思う。
ルックスやイメージだけで近づくと、ヤケドをする熱いサウンドを今後も炸裂させてほしいと思っている!!

AZAZEL@吉祥寺CRESCENDO 7/7
SET LIST:
1. SE~Spica
2. Howling
3. Inside Reflection
4. DRAW
5. Never...
6. Revive
7. Still
8. Go ahead!
9. Angel's stairway~Guitar Solo
10.「空也の部屋」(inc:Helix(Acoustic Version - Miyabi & 空也))
11.SE~Drum Solo(inc:森のくまさん(アメリカ民謡 - Mayo(Vocal)))~Bass Solo
12.Untamed Heart
13.Shadow Town
14.Song for
15.Fall down
16.EGOIST
17.Keep holding my hand
-Encore-
1. Helix
2. DISCLOSE