24日の月曜(祝日)はWildSide Tokyoまで。
今回の企画は外国のバンドがステージで、フロアで日本のバンドという形で14バンド出演。milkcowが直前になってキャンセル(且つ、活動停止。)になりPerseveranceが代わりに出演という事になったが、ともかくも今回はトップから見た!

1番手、フロアで、Masqueradedejavu。
2年前の夏にレコ発ツアーの新松戸FIREBIRDで見て以来。かなり低音をカバーしたノイジーなギターとドラム…ギター氏はヴォーカル兼任。ノイジーな音像のバッキングだが、なかなかに歌メロはメロディアス。アンビエントというかスペーシーなギターの入る場面もあった。ラス前の曲ではクリーントーンのギターと歌から始まり、抒情的な側面が現れていた。

http://masqueradedejavu.com/

ステージで、中国のHITOBASHIRA。
だが、白人がメンバー。国籍が中国なんだろうか?下のFacebookを見ると、リズム隊もいるようだが、今日はPCの同期音源とギター兼ヴォーカルにベースの2人のみ。現代的なスラッシーなハードコアという感じ。ベース、ギター共にかなり複雑なリフを弾く。客への煽りはベース氏が担当という感じで、手を振ったり、いろいろなアクションを入れて来る。個人的に楽曲は凄く良いと思った。

http://www.facebook.com/HitobashiraBand

フロアで、WHILE THE CITY BURNS。
演奏しようとしたら、エフェクターのせいか(ちょっとどうなったのか良く見えなかったが)アンプが鳴らなくなり(とんだ?)、ヘッドを交換、且つノリで?ヘッドだけ3段積みにしてしまった。そしてなんとか音が出て再スタート。
喚く感じのヴォーカル・スタイルのグラインド。しかし、マイクをかなり離していたが、物凄い声量!フロアの後方(本来は前方…以下フロアライヴの場合は後方と書きます。)では外国人のオーディエンスがモッシュを始め、カオス状態になった!

http://www.facebook.com/Whilethecityburns/

ステージで、マレーシアのLARRONG。
フィルとパワー・コードというお約束スタート。ともかく、上手ギターの刻みが物凄い存在感を持っている。基本そんなに速くなく、ソロもない初期のデス・メタル…所謂デスラッシュ。OBITUARYのような展開をする感じで、かなり自分的には好みのスタイルであったが、やはりアジア人の奏でるデス・メタルは、欧米とはどことなく違う。我々日本人の演奏も、外国人にはかなり異質に映るのだろうとやはり思ってしまったし、それはやはり重要な事なのである。

http://www.facebook.com/larrong.sarawakdeathmetal/

milkcowが出演できなくなったため、急遽出演となったPerseveranceがフロアで演奏。
物凄い激重サウンドでダウンテンポ。フューネラル・ドゥームとは違うが、サウンドの重圧は物凄い。2曲目ではモッシュが起こり、後半でもかなり起こっていたが、特に速い部分とは関係なく起こっていた感じ。基本的にサウンドはメタルではなくハードコアで、速度は関係なく独特のアグレッションを放っていた。

http://www.facebook.com/PerseveranceHxC/

ステージで黒人がヴォーカルのイギリスのDYGORA。
少しだけヴォーカルがサウンド・チェックをした後、すぐにスタート。物凄くゲインが強いような音のギターで、ブラストもありながら、リフにはハネるような雰囲気がある。激速のナンバーはなく、どちらかというと重いながらもビート一つ一つが独特のグルーヴを持っている。奇妙な音のコードも使い、凄くエクスペリメントでもある。
細身の黒人ヴォーカルのルックスの良さもあり、洗練されているというかどことなくメジャー感が漂うのも魅力。そしてフロアはアジア人の男性と白人のボディコン風の金髪のお姉さんが一緒にモッシュしている。それは人種、文化、国籍など何も関係がない音楽が結びつける素晴らしい場面であった!
ラストに上手ギター氏がフロアに降りて弾きまくる。ステージダイヴ、クラウドサーフもガンガン!記念撮影をしてシメ。

http://www.facebook.com/DygoraBand/photos/a.1481394085502755/1940145012960991/?type=3&theater

http://www.facebook.com/DygoraBand/

そしてフロアで、SELF DECONSTRUCTION。
冒頭、葛葉君のギターが出なかったが、すぐに復活し、スタート。くびね嬢がフロアのオーディエンスの群れの中に入っていく回数が今回は多い。この夏チェコの「OBSCENE EXTREME 2018」に出演した事がトリガーになっているのかはわからないが、なんとなくバンドがよりアグレッシヴになってきているような気がする。
リフやリズムの繰り返しが少なくすぐに複雑に展開、短い曲を次々に連発していく彼らのスタイルだが、後半になるにつれ後方でモッシュが展開していた。
さらに、このライヴの次の25日に発表されたが、来年2月のNEUROSIS、CONVERGEの来日に前座ではなく対バンでENDONと共に出演する。見逃せない!

SELF DECONSTRUCTION@新宿WildSide Tokyo 9/24
SET LIST:
1. Intro
2. Disaster
3. Ain't It Fun?
4. Taken For Granted
5. Relationshit
6. Not For Me
7. #51
8. Deeper,
9. Pay Up
10.#49 Bleed
11.Vulture
12.Our Graves
13.He/She Say
14.You Deserve
15.Possession
16.Concubine(CONVERGEのカヴァー…のはず)
17.Dried Mouth
18.Blackeye
19.Malice
20.Dear Weekend
21.Grind Me
22.No Savior
23.#50
24.Fake It Happy
25.#48 Ugly
26.Hazard
27.Cease To Exist
28.Witness
29.The Burden
30.Self Deconstruction
31.Perseverance
32.Mess

http://selfdeconstruction.wixsite.com/grindcore

ステージで、インドネシアのGETAH。
今日出たバンドの中ではメタル/ハードコアの音像とはかなり距離がある感じのスタイルのバンドであった。サウンドの重みは十分過ぎるほどあるが、基本的にサウンドスタイルは、ハード・ロック、もしくはへヴィ・ロックと呼ぶべきものという感じ。ただ、ベースがかなり歪みが大きく、チョッパーなども繰り出す。ヴォーカルは野太い。サウンドバランスはちょっとバッキングが大きすぎて、ヴォーカルがほとんど聞こえないのが難点ではあった。
また、レスポールのサウスポーの上手ギター氏がハイ・ポジションを弾く時、親指を全くネックに付けずにほとんど上から指板をフィンガリング(ハンマリング+プリングでタッピングしているわけではない。)する様が凄く特徴的で、ライトハンド的奏法ではなくて、あそこまで完全に浮かせてしまう人は初めて見た。
トータルでは凄く泥臭いというか、野生を感じさせる音であった。

http://twitter.com/GETAH_official

フロアでAWAKED。
速い曲から始まり、2曲目ではオーディエンスは2ステ?を踏んでいた。凄くダンサブルなチューン。だが、やはり基本的にはうねりのある90年代のモダン・ヘヴィネス的なテイストを持っており、且つハードコアなメタルである。ラスト2曲もスピード・ナンバーで駆け抜けた。

http://www.facebook.com/AWAKED-148457628601790/

金曜日にラスト1曲の終わりのみ見たインドネシアのINLANDERでステージ。
「私たちはインドネシアから来ました~。」と言って、スタート。ヴォーカルとドラムスは覆面。さらに先日見た時と同じようにヴォーカル、バニ氏は拡声器を持っている。トライバルなビートからノリのいいロックンロールな感じのメタルが始まる。音はだがそんなにへヴィな音の壁がある感じではない。(前述のGETAHはハードロックではあったが、音はもっともっとへヴィだった。)ただ、ツーバスは入る。ソロはワウを使ったり、結構フラッシーな面もある。
途中、MISFITSの"Last Caress"をアカペラで少し歌ったので、オーディエンスも呼応したが、その次に演奏されたのは、"Last~"と同じくMETALLICAもカヴァーした"Die Die My Darling"であった。そして次のラス前(実は違った。ひっかけだった。w)の曲でクラウドサーフするバニ。ラスト曲(実はラス前)では演奏開始直後中断。どうやらチューニングが狂っていたようだ。そして実はホントのラスト曲が演奏され、それが激速!そして、またまたクラウドサーフ!
最後に記念撮影でシメ!であった。(↓右上)

http://pic.twitter.com/qTWzmThIXi

http://www.facebook.com/Inlandermusic/

フロアで2年ぶりでThe Kandarivas。
今回のこの企画は彼らが中心となって、海外で行われていたこの「EVERLOUD FEST」を日本でもやろうという事で始まったもので、本当に物凄い労力を費やしたという事はTomokiさんが最初の挨拶となるMCで語っていた。だが、これは次のイベントも続けてやっていくという事である。
バンドの方は、普通のドラムと太鼓、それにギター兼ヴォーカルというトリオで、ギターは特に凄い太い音になっている。日本の太鼓のリズムとロック・ドラムのリズムがミックスし、独特の雰囲気を作り出し、その上でスラッシーなリフが流れていくが、音楽的には新ジャンルとしかいいようがない。OnoboneさんのドラムもSHELLSHOCKで聴くのとは、一味も二味も違う感じである。1曲アジア人のゲストヴォーカルが入り、「とてもブルータルな味のインドネシアの食べ物の事を歌った」という曲を演奏した。
前回見た時よりもバンド自体のスタイルがより固まってきたという感じで、とても明確な形になって来たと思った。

http://www.kandarivas.com/

ステージ、メキシコのANIMA TEMPO。
こちらは、今日初めてSEから始まるバンドであった。モダン・ヘヴィネスという言葉…正にスタイルはPANTERAからの影響大な感じであるが、ヴォーカルは少し歪んだトーンである。上手ギター氏が基本的にMCを取り、「メキシコから来ました!我々は日本が大好きです!」とかなり流暢な日本語で話す。
2曲目は同期も入って来る。この辺りはやはり欧米でも現代のテクノロジーを使うのは普通である。ベースは五弦で、ギター、ベースともにかなりテクニカルなプレイをする。「次の曲では飛んで!」と4曲目(だったと思う。)が始まる。そして、メキシコの国旗で中央の国章が入っていない旗を出してきた。ラスト・パートでジャンプ。後半、下手ギター氏がリード・ヴォーカルを取るパートもあり、またヴォーカル氏が指でぐるぐるとやると、モッシュも起きる。最後に記念撮影して終了!

http://www.facebook.com/AnimaTempoOficial/photos/a.614934075243135/1861997267203470/?type=3&theater

http://www.facebook.com/AnimaTempoOficial/

フロアでCASBAH。
CASBAHがフロアなの?重鎮なのに?みたいな感じで最初は思っていたのだが、今回はコンセプト的に日本のバンドは全部フロアなので、こういう配置になっているようだ。
最初、ベースのトラブルで少し時間を取ってしまったが、「待たせたな!みんな!」と羽鳥御大の声と共に、なんと1曲目に"No More Slaughter"!結構、久々に聴く。オーディエンスはこの名曲でスタートという事でいきなり大興奮!続いて"Naked"、そして"Unsung Heroes(Song For The Heroes)"と「REACH OUT」からの曲が続く。こちらもかなり浸透しているから、リアクションが悪いという事はない。
「良いイベントに呼んでもらえて嬉しいです。」と羽鳥さん。IDORAとのスプリットCD「FRICTION」の宣伝などもしたが、今回は半分が外国人のバンドだし、オーディエンスにもたくさんの外国人がいるので、もしかしたら羽鳥さんは全部MCが英語になるかな?と思っていたが、さすがにそれはなかった。(ちょっとあっても良かったかな?と思ったが。)「じゃあ、ファンの方からのリクエストで…。」と言って、いきなりあのギャング・コーラスが始まった!"Low Intensity Warfare"!ここに来ると、さすがにオールド・ファンはたまらないという感じでほとんどパニック状態になってしまった。続いて、その「FRICTION」からイントロとアウトロのゆっくりストリンジェンド(リタルダンドのほぼ反語)していくリフが凄くインパクトが大きい"Fire And Ice"へ。この曲はサビの部分も含めて凄く今のCASBAHの勢いを感じる曲である。
そして、本編ラストは、ギター・リフからブラスト(とは当時呼んでいなかったが。)が入るという、発表当時はどう演奏してるのかさっぱり分からなかったぐらい強烈な速度のデモ・テープのタイトルトラック、"Infinie Pain"へ。もうこの激速ナンバーで完全に後方の外国人も凄絶なモッシュの嵐となった!
最初のベーストラブルで押してしまったので、羽鳥さんも「やって大丈夫かな?」と言っていたが、オーディエンスの猛プッシュで、やはり演らずに終われない感じになり、アンコール敢行!あのリフが奏でられた!"Russian Roulette"!!フロアもみくちゃ、またちょっとマイクスタンドが倒れたりなので、三谷さんの前のスタンドを押さえる。後ろから押されるも、必死に死守しながら、コーラスも入れる!外国人でも、32年前のこの日本のスラッシュ・メタルの金字塔ナンバーを知っている者は多い。おそらくフロアでも幾人(いや、もっとかな?)かは知っているだろう。CASBAHというバンド名もアジアでは明らかに伝説なはずである。パニック状態のモッシュはラストの"Russian Roulette!!"のコーラスで完全燃焼!凄まじいフロアライヴと化した!!

CASBAH@新宿WildSide Tokyo 9/24
SET LIST:
1. No More Slaughter
2. Naked
3. Unsung Heroes(Song For The Heroes)
4. Low Intensity Warfare
5. Fire And Ice
6. Infinie Pain
-Encore-
1. Russian Roulette

http://www.facebook.com/nomoreslaughter

トリ、ステージでインドネシアのグラインド、NOXA。3日ぶり。
「オハヨゴザイマス!」と一言。いや、もう夜です。多分、ふざけて言ってるんじゃないかと思う。…金曜に見た時よりへヴィな質感がある。またスネアの鳴りがかなり良い。
畳みかけるようにファスト・ナンバーを連発するが、3曲目の"Buka Mata"や、"Bangsat!"、"Naskleng!!"みたいなメッチャ短いショートカット・グラインドはやはりある意味ウケる。5曲目の"Propaganda"では、イントロでベース音がおかしくなりやり直しというのもあったが、ともかく、ドラムのキレがいい。8曲目のMCで前で有名な歌を歌ったけど、なんだったかちょっと曲名まで分からない。
10曲目、"Nyalakan Tanda Bahaya"ではINLANDERのバニがまた現れて一緒に歌ったが、金曜にやったのもおそらくこの曲だろう。また14、15曲目ではSEPULTURAのカヴァー("Territory"と"Troops Of Doom"。)を演奏し、ラス前では、スウェーデンのグラインドのNASUMのカヴァーで"Inhale/Exhale"を演奏。SEPULTURAのカヴァーの後のMCでは「心の友」といきなり言い出したので、何だろう?と思ったが、どうやら歌っていたのは、五輪真弓さんの曲だったようだ。(多分)
18曲目"Respect All Ethnic, Kill The Racism"では紅白の幕を持ちながらダイヴする人がいたがあれは誰だったのか?"Hukum Dan Keadilan Hanya Formalitas"のリフはイングヴェイの"Faultline"に似てるな?とか色々あったが(こんなのどうでもいいけど。w)、ラスト27曲目、"Sinetron Sucks"を炸裂させて、終了。金曜日より圧倒的に演奏は物凄かったし、モッシュ・サークルも凄まじかったし、曲数も物凄い数であった(凄い短いのも結構あるけど)。
ラストは記念撮影!

http://www.facebook.com/pg/NOXAxGC/photos/?tab=album&album_id=10155551897631725

NOXA@新宿WildSide Tokyo 9/24
SET LIST:
1. Hidden Terror
2. We Are Living In The Beautiful Country
3. Buka Mata
4. Proud Is A Weakness
5. Propaganda(中断)
6. Propaganda
7. Dimusnahkan Diabadikan
8. Bangsat!
9. Ancaman
10.Nyalakan Tanda Bahaya(With:Bani(INLANDER))
11.Mr. President
12.Gara-Gara Uang
13.McGrinder
14.Territory(SEPULTURAのカヴァー)
15.Troops Of Doom(SEPULTURAのカヴァー)
16.Potential Zero
17.Tanah Air Beta
18.Respect All Ethnic, Kill The Racism
19.Naskleng!!
20.Fight Against Us
21.Feed Us Not Kill Us!
22.Hukum Dan Keadilan Hanya Formalitas
23.Starvation
24.Lembata(Starving To Die)
25.Hancur
26.Inhale/Exhale(NASUMのカヴァー)
27.Sinetron Sucks

http://www.facebook.com/NOXAxGC/

ともかく、今回のイベントは行ってみて初めて分かる事ばかりだったと思う。色んな人種、国籍、文化が「へヴィ・メタル」や「ハードコア」という音楽の前に一つになったという事も含め、本当に発見がいっぱいあった。
特にアジアのバンドの個性は凄く新鮮で、長いイベント向きではない自分でも物凄く楽しめた部分があった!