どうも、natsukiです。
去年11月に行ってきた海外2カ国、「ドイツ、スペイン」
これまでアップしてきた、「ドイツ ミュンヘン」と「スペイン バルセロナ」に引き続き、「スペイン バスク編」
バスク編はサンセバスチャンに始まり、現在紹介中のビルバオエリア。
【・サンセバスチャン 観光情報 「旧市街 & コンチャ海岸」】
【・サンセバスチャン バル情報① 「Gandarias & Atari」】
【・サンセバスチャン バル情報② 「Nestor、GoizArgi+etc」】
【・サンセバスチャン バル情報③ 「Antonio、Bergara」】
【・サンセバスチャン ミシュラン三ツ星「Martin Berasategui」】
【・ビルバオ バル巡り「GURE TOKI & La Olla」】
上記に引き続き、今回でこの旅行記最後となる、ビルバオで訪れたレストランをご紹介します。
・Azurmendi - アスルメンディ
こちらのオーナーシェフ、エネコアチャ氏はスペイン最年少でミシュラン三ツ星を獲得されたシェフとして有名でして、三ツ星と共にワールドベストレストランにも常連でランクイン(19年は14位)しています。
さらにOADでは15年にヨーロッパNo1レストラン(16年~18年もトップ5以内)として選ばれた、輝かしい経緯のある世界のトップレストランです。
今ではエネコ系列として、スペイン以外にもロンドンと東京に店舗がありますが、こちらがその本店です。
場所はバスク地方の西エリアにある、ビルバオの中心エリアからタクシーで30分弱行った山奥にあります。
サンセバスチャンからですと1時間半程かかる、ここに行くためだけに訪れる必要のあるかなり遠いアクセスです。
タクシーで着いた先は、本当に丘にある高台の場所でして、そこに煌びやかなライティングが引き立つガラス張りになった大きな箱。
ディナーのため周りは山奥で真っ暗ですが、店内に入るとその土地のイメージを表した様な森林空間が姿を表します。
スタッフさんに案内していただきながら、まずはその空間を楽しみ回覧し、そこにあるスタンドで立ち飲みバースタイルとして最初の一杯と共にアミューズがスタート。
アミューズのメニュー名は、ピクニック
空間に沿った規模の大きな構成に、最初から心がガッツリと掴まれます。
そこから、こちらの心臓部である広々としたキッチンに移動。
調理風景を眺めながら、実験の様な演出と共に3種類の料理が提供。
海外のレストランで食後にキッチンに案内していただいたのは過去2回ありますが、演出として入るのは今回初。
キッチンの次は、室内農園の様な部屋に移動。
ここでもその空間を使い、テーマに沿った料理が素敵な演出と共に提供されます。
移動しながらの食事という、もはや通常のレストランの概念は覆され、さらにこれを海外で味わえているという事にテンションが上がりっぱなし。
ちなみにこちらは場所の特性を活かし、自家菜園で全てオーガニックにこだわって作られている。
その中で、何より素晴らしいのが演出だけでなく、料理も非常に美味しいという事。
ここまでモダンタパスといった感じの気軽な料理ながら、素材の質の良さや甘みをしっかりと感じられる厳選された食材に加え、そこに唯一無二の体験や打ち出しときたら、感動する他ない。
ここからメインダイニングへと案内され、通常のレストランの形式が改めてここで始まります。
ガラス張りになった、広々とした綺麗でムーディーな高級レストランの空間です。
そして、ここで初めてコース内容を選択します。
コースはErroak(ルーツメニュー)とAdarrak(最新メニュー)の2種類あり、価格は共に220€(現レートで約28000円)。
初めてのため、Erroakを選択しました。
では料理詳細に。
以上のコース内容です。
ここでの料理も通して素晴らしく、素材の質はもちろんの事、技量も非常に高い。
絶品と言える料理が当たり前の様に提供され、見た目の美しさだけでなく、しっかりと味にこだわっているのが分かる。
サービスも終始素晴らしく、全てにおいて文句の付け所がない。
ここではスープ以外に特別な演出等はなかったですが、終盤で別にオーダーしたコーヒーも目の前で豆をブレンドし、説明しながらゆっくりと淹れてくれるこだわり様。
そのコーヒーをワイングラスでいただくのは格別です。
環境や構成だけでなく、何一つ欠ける事のないパーフェクトな満足感に、美食の街と言われるバスクのレベルの高さを実感させられました。
一見トータル時間がかなり長そうですが、約3時間という長さは全く長く感じなかった。
スペイン特有の遅い時間の中でも21時半スタートだったためか、おそらく通常よりも早く進んだと思います。
むしろこんなにも濃い時間を、これだけの時間で過ごせたのかと思うと驚きでしかない。
バルセロナの「Disfrutar」をレビューした際、過去伺ったイノベーティブレストランの中でナンバーワンの料理構成と言いましたが、こちらは料理に対してだけではなく、レストランとしての概念を優に超えているといった、アミューズメントパークの様なもっと規模の大きな表現がイメージに合うかと思います。
それに何度も書きますが、構成以上にシンプルに料理が非常に美味しい。
ミシュラン三ツ星獲得の意味に、お店に行くために旅行をする価値があるとされているが、日本からこの遠いバスク地方に来て、さらにサンセバスチャンから1時間半かけて来た甲斐があったと本当に思わせてくれた。
サンセバスチャンの三ツ星店「Martin Berasategui」も素晴らしかったが、ここは別次元だった。
正直本当は、個人的にここ数年で世界一行きたいレストラン「Asador Etxebarri」に行きたかったのだが、3カ月前でも予約が全く取れずに断念…残念で仕方なかったが、ここに来れた事でその想いは消え去った。
こんなレストランが世界にはあるのかと、衝撃を受けました。
最後にエネコ氏自らがあいさつに来てくれましたが、若い上にイケメン、メディア受けも抜群でしょうね。
日本にも支店がある事もあり、色々な話が出来ました。
近年の日本は、東京・京都の人気店の値上がり方が半端ない。
当たり前の様に3万、4万円を超えてくる。
そりゃそうだ、値上げしたところで予約が取れないくらい予約が来るのだから。
そんな中で、僕自身の意見としてはこういったお店の様に、他店では決して経験することの出来ないお店にこそ、より大きな本当の価値を感じる。
料理面だけでも十分に価格分の価値を感じられる上、この演出は見事としか言いようがない。
味やジャンルの好みは置いといて、僕の知る限りでは一軒の体験価値として言うと、今後の人生で同レベルのレストランに出会う事はないのではと思う位の感銘を受けました。
過去最高のレストランと言える満足度、本当に素晴らしいお店でした。
夜は夜で落ち着いてしっとりとした雰囲気の良さがあるが、ロケーションが素晴らしいのでランチの方がその雰囲気はより堪能できるかもしれません。
ちなみに、東京にある支店の「Eneko Tokyo」はこのアスルメンディ監修で再現したお店としてオープンしているので、興味のある方は是非行かれてみてください。
料理の完成度は分かりませんが、構成としての再現性は非常に高い様なので、そちらでも近いイメージが体感出来ると思います。
まだこのバスク地方には、Etxebarriを筆頭に行きたいレストランが沢山あるので、必ずまた再訪したいと思える場所です。
・Azurmendi - アスルメンディ
以上が、今回のこのドイツ・スペイン旅の最後のブログです。
見て下さる方の、旅や食の参考になれば幸いです。
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