パンの製造・販売を手掛ける。
100種類あった商品を2008年、新たに開発した「くりーむパン」だけに絞った戦略が広島県内だけでなく、首都圏でも奏功している。
「くりーむパン」はカスタードや小倉などの味に加え、あまおうイチゴやマロンなど季節限定の商品もある。パンというより、クリームを食べているような、なめらかな食感が人気を集めている。
地盤の広島県三原市にコンビニが進出、いち早く始めた天然酵母パンに競合が参入するなどの経営危機に直面し、ピーター・ドラッカーの「選択と集中」をヒントに商品の絞り込みを図った。100点あった商品を約1年半かけて減らしつつ、くりーむパンの開発を進めた。クリームの水分が生地に染み込みすぎないように薄力粉を使い、クリームがムラなくたっぷり入るようにシュークリームで使用する機械を導入した。
完成した「くりーむパン」は東京への進出も果たした。「焼きたてのパンでは首都圏で勝負ができない。ならば冷やしておいしいパンを」(森光社長)と、距離というハンディを逆手にとった。ショーケースで販売する戦略も功を奏し、手土産としての存在感を少しずつ示している。
『日本経済新聞』2019/10/04付。
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