皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
船橋市民の皆さんが船橋市(役所)に対して最も実施してほしいと思っていることは何でしょうか?
毎年の市民意識調査(アンケート)などからも明白な通り、道路の整備と渋滞の解消です。
船橋市は道路の渋滞や歩道の狭さ等で悪名高く、その改善を望む声が多くの市民の皆さんから寄せられています。
 
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▲市民アンケート調査結果で、「道路の整備」については毎年上位にランクされています。
 
船橋市は64万人という人口規模の割には道路整備が遅れており、幹線道路に交通が集中して渋滞が発生しているため、千葉県内でもワーストクラスの旅行速度となってしまっています。
 
▲国県道(幹線道路)の空白エリアは市の中心部
 
以下の図の通り、本当は船橋市にもこのような都市計画道路を整備する計画が40年以上も前から存在しているのですが、そのほとんどで整備が遅れています。
 
▲市の中央に計画されている都市計画道路のほとんどが整備されていないまま
 
そもそも、なぜ船橋市は千葉県内でも最大規模の都市計画道路の整備計画を有しているものの、その整備率が低いのかというと、本市は戦争の被害が軽微だったことがあります。これは幸せなことでもあるのですが、都内のように被害が大きかった場合、その後の街づくりをけいかくてきに実施できたという側面はあります。東京などは焼け野原からの出発だったため、白紙の状況から街を作ることができた側面はあります。道路も長く広くとれたのです。
 
また、船橋市は東京都心から近い地理的条件も重なり、昭和30年代後半から人口が急激に増加したため、学校建設等に追われて道路整備は後回しとなってしまい、現在も都市計画道路やこれらを補完する補助的な道路の整備が県内他市に比べても遅れている状況なのです。これらの整備は用地買収が伴い、膨大な事業費はもとより、沿線地権者の用地協力が必要となっているため多くの時間を要してしまっています。
 
しかし、この閉塞状況を打開するための第一歩として、「船橋市交通ビッグデータ見える化協議会」が発足しました。
その第1回会合が、今年の8月25日に開催されました。
 
この協議会は、交通渋滞の緩和と交通事故の削減に向けた検討を行うために、学識経験者、国、県、警察、船橋市で構成する協議会で、本年6月に設立されました。交通ビッグデータを活用して交通状況の見える化を行い、市内の交通円滑化と交通安全を相乗的に向上させることを目的としています。
 
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▲当該協議会の枠組み
 
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▲メンバーには、国交省(国)、葛南土木事務所(千葉県)、千葉県警察(千葉県)が入っています。
 
当該協議会に、国と県を巻き込めていることは大いに評価できることだと思います。
なぜなら、船橋市の渋滞の大きな原因の一つは国県道にもあるからであり、その整備は喫緊の課題です。
その点に関する意識を両者に持っていただけることはとても大切なことだと認識しています。
 
当該協議会で活用する交通ビッグデータはETC2.0とのことです。
これは、対応車載器を設置した車両の24時間365日の走行履歴・挙動履歴データを収集したものです。
千葉県では全自動車保有件数の約1割の車両でデータ取得がなされています。
このETC2.0のデータを国から提供を受けることができるようになったということで、当該協議会は発足されたのです。
 
▲ETC2.0について
 
このETC2.0を利用して見える化した船橋市内の国県道の旅行速度は以下のようになっています。
 
▲国県道の旅行速度:平日平均と休日平均
 
▲国県道の旅行速度:平日朝のピーク時(7~8時)と平日夕のピーク時(17時~18時)
 
我々の生活感から何となくわかっている通り、南部エリアの国道14号や296号、そして、県道8号(船取線)や59号(木下街道)などで渋滞が起きています。
 
以下は市道の旅行速度になります。
 
▲市道の旅行速度:平日平均と休日平均
 
▲市道の旅行速度:平日朝のピーク時(7~8時)と平日夕のピーク時(17時~18時)
 
こちらも予想通り、国道14号と国道296号に並行する市道で渋滞が起きています。
そして、休日になると、ららぽーとなどの商業施設が集まる路線周辺で渋滞が起きています。
 
ETC2.0のデータから、本市内で渋滞が起こる道路や箇所が見える化されました。
今後、当該協議会で対策を練っていくことになると思います。
重点的に対策を取っていく路線は以下の通りとなっています。
 
【国県道】
国道14号、船取線、夏見小室線
*残りの優先度が高いエリアは来年度以降に検討予定
【市道】
国県道の空白エリアで混雑が顕著な市道で対策を検討
 
▲左側が国県道、右側が市道の対策区間の選定結果
 
私も船橋市民の一人として、道路の整備や渋滞解消を切に願っています。
当該協議会の今後に大いに期待するとともに、しっかりと注視してまいります。
 
今回のブログに添付した資料等は、こちら(第1回船橋市交通ビッグデータ見える化協議会のページ)からご覧いただけます。
 
2020年11月19日 船橋市市議会議員 石川りょう