昨日、事務局次長を務める再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(略称「再エネ議連」。柴山昌彦 会長)が「太陽光発電への法定外目的税」について菅義偉 内閣官房長官へ申し入れを行いました。

この申し入れは、岡山県の美作市が事業用太陽発電への法定外目的を導入する条例制定を検討しており、今週に条例が可決される可能性が出てきたことを受けてのことです。 


 申し入れた要望書には、

    事業用太陽発電への法定外目的税は事業者に不意打ちを与え、FIT制度の信頼を害すること、

    この法定外目的税は、事業者にとっては二重の税負担になり、法律上も総務大臣による法定外目的税条例を不同意とする要件を満たす見解があること、

    この法定外目的税が全国に広がった場合、数千億規模で事業者の負担増となる試算があり、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取り組みも大きな支障になること、

    政府において、この法定外目的税に対して慎重に対応することを要望すること、

    政府において、この条例が可決される前であっても、当該自治体と協議・指導をしてコミュニケーションを取ることを求めること、

等が盛り込まれております。


この申し入れに対し、菅官房長官は、住民の迷惑施設であった場外馬券売り場への法定外目的税が問題となった横浜市の事例とは異なり、美作市による法定外目的税は道義がない旨の発言をされました。


菅官房長官への申し入れに先立ち、先週、再エネ議連を開催しました。議題の「太陽光発電への法定目的税について」、太陽光発電協会の鈴木伸一理事と、ベーカー&マッケンジー法律事務所の江口直明弁護士がそれぞれご講演されました。

 

まず、鈴木理事は「自治体で検討されている事業用太陽発電への法定外目的税の導入について」と題し、

    法定外目的税の創設が全国の自治体に波及することの懸念、

    心配される太陽光発電事業への影響と主力電源化促進の足かせ、

    国と地域にもたらされる便益への影響、

    地域との共生、環境の保全、健全な事業運営が最重課題

を、ご講演されました。

 

次に、江口弁護士は、

事業用太陽発電への法定外目的税の導入が全国に広がった場合には2000億円から3000億円の税収と試算できること、

    この法定外目的税は地方税法における総務大臣による法定外目的税条例不同意要件(同法第733条第1項・第3項)を満たすこと(固定資産税と二重課税になり課税標準が同じであり住民(事業者)の負担が著しく過重となること、国の経済施策に照らして適当でないこと)、

    この法定外目的税の導入理由に根拠はないこと、

    総務大臣が同意を与えた場合には、国が違法な条例制定に加担したことになり、エネルギー憲章条約により仲裁申し立てをされるリスクがあること

を、ご講演されました。

 

上記の講演を受けての質疑応答で、私も発言をさせて頂きました。まず、問題になっている法定外目的税は発電用パネルの面積に応じ課税するため、太陽光発電パネルの数と、予想される税収について質問させて頂きました。国としては、太陽光発電の出力数はともかく、太陽光発電パネルの数、予想される税収は把握してないので今後調査する、との回答でした。

 

さらに、私は、地方税法における総務大臣による法定外目的税条例不同意が今まであったか否か、その不同意に対する自治体からの不服申立てが今まであったか否か、について質問させて頂きました。国の回答は、横浜市が日本中央競馬会の場外馬券売り場に「勝馬投票券発売税」を課す条例を可決したことに対し、平成12年に総務大臣が不同意した事例と、その不同意に対し横浜市が不服申立てをした事例が、今まで1件だけあるとのことでした。

 

質疑応答では、出席議員から次々と発言が挙がり、白熱した会になりました、

 

議論を踏まえて、翌日、再エネ議連が、資源エネルギーを所管する石田真敏 総務大臣に「太陽光発電への法定外目的税」について申し入れを行いました。

この申し入れに続いて、本日、菅官房長へ申し入れを行った次第です。

 

引き続き、私 石﨑とおるは再エネ議連の一員として、発電するときにCO2を出さない太陽光発電を含む、再生可能エネルギーの促進に尽力して参ります。

 

自由民主党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟事務局次長

衆議院議員 

 石崎徹