熊本県、感染症の犬10匹処分
「レプトスピラ症」疑い

熊本県は16日、県内の保健所で保護した犬や猫を収容する県動物愛護センター(熊本市東区)で犬の感染症が発生し、10匹を殺処分したと発表した。

県健康危機管理課によると、人にも感染の可能性がある「レプトスピラ症」の疑いがあり、確定検査している。

同課によると、県御船保健所が1月19日に保護した犬18匹のうち、2月14日までに6匹が死んだ。

いずれも下痢や嘔吐[おうと]、黄疸[おうだん]などレプトスピラ症の特徴があり、獣医師が14日、家畜伝染病予防法に基づき県家畜保健衛生所に疑い事例として届け出た。

センターは、同じ集団で症状が出た10匹を殺処分し、残る2匹は経過を観察している

レプトスピラ症は主にネズミを媒介とする細菌感染症で、人が感染した場合は発熱や頭痛など風邪のような症状が出る。
(2018年2月17日付 熊本日日新聞朝刊掲載)




この記事を知り、もしかしたら?と思った犬のことがありました。

犬の「レプトスピラ症」という病気を皆さんは耳にしたことがあるでしょうか?

あるいは、レプトスピラ症を気をつけた飼育、生活をされていたでしょうか?

恥ずかしながら私は、この病気については無知に近いほどでした。

これを機にと少し調べるととっても怖い病気なのですが、しかし、予防や避け気をつけることもできることであるものだと思いましたので、お話をしたいと思いました。

ご存知のかたには、繰り返しのように思えるかもしれませんが、読んでいただけたら幸いです。


◼️ 犬のレプトスピラ症とは

レプトスピラという細菌によって引き起こされる病気で、人にも動物にも感染する恐れがあります。

インフルエンザのような性質のため、感染してしまった動物に不用意に近づくことは「危険」ですので注意が必要とされています。


◼️ 感染の原因

主な原因としてネズミと言われていますが、ネズミはこの細菌に感染しても発症する事はないのだそうです。
……なんて図太い!!

性質の悪い事に、ネズミの体内でレプトスピラが増殖、尿とともに排泄され、あちこちの土壌中に生息するようになります。ネズミのいる場所は要注意ですね。

こんなことが記載されていました。
細菌はとても強い生命力で、 180日以上宿主なしで土や水の中で生息する事ができます。

レプトスピラを含んだ汚水などを犬が舐める事などによって感染をし、1頭が感染すると他の犬や人に感染しますので、これは今回の収容された犬たちのような多頭飼いをしている家では特に「危険」が増しますので、かなり気を付ける必要があります。

次に考えられるのは
野生動物や感染動物との接触(感染している野良猫や野良犬など)です。

これは、犬を飼っていない人でも感染した動物に触れることからの感染の可能性もあり、さらに、自宅でペットを飼っている人が感染してる動物などに触れたとき
帰宅後に手などを洗わない清潔な状態にない場合、飼い犬など感染させる可能性があるということでしょう。

ほかにも、散歩中の何気ない場所に感染リスクもあり、水たまりや不衛生な場所に近づかないことは勿論、猫も犬もノーリード(放し飼い)にはしないことが大切です。

犬のノーリード、猫の放し飼いを未だにしてる人たちは、自身や愛犬や愛猫だけでなく、地域や周りの皆さんの危険にも繋がることの責任をしっかりと考えてほしいですね。


この病気に限ったことではないのですが、免疫力の落ちた老犬や皮膚の状態が良くない犬たちのお世話をしていた頃、ノミやダニや細菌を持ち込まないように特に注意を払っていたのですが、

現在も私自身、地域の高齢者の方々のペットのお世話のお手伝いや代わりに病院に連れて行くなどの機会もありますので、帰宅した後、衣服は玄関や脱衣所で直ぐに着替えて手を洗う習慣などにしています。

予防や対策は、いくらやっても良いと思います。常日頃から皆様も心がけて十分に気をつけてください。




私たちが防いであげられることは、知識を持ち、個人個人がその予防ができることですから。


◼️ 発症した場合

最悪の場合は死亡することもありますので早期発見と早期対処が重要だそうで、ワクチンの接種がなによりの治療法と予防法だそうです。

かかりつけの動物病院、獣医さんに確認した上で、感染した場合の治療法などを相談したりしながら飼い主の判断によって接種しましょう。

症状が現れるものには、主に三つの要素に分ける事ができるそうで「不顕性型」「出血型」「黄疸型」があります。それぞれの症状については、以下の参考記事からご覧になって知ってください。

◼️ 症状の出ない場合

犬のレプトスピラの症状には、感染しても、特に症状の現れないまま経過し、自然治癒する不顕性型が多く見られ、この場合は回復後、長期間、尿とともに菌を排泄して、ほかの動物への感染源となるとも…。

これを見る限り、症状が出ないからといって安心できるものではなく、経過観察と感染源とならないための適切な治療と管理が必要なこともわかりますね。。。


上の写真は、最初の記事にでてくる検査で陰性となった2匹、現在 経過観察中の犬たちです。

親子なんです。この子たちは、私もこの犬たちが保護された時の投稿を見ていてシェアしていたので、もしやと思っていました。


飼い主さんが亡くなった後に2匹を含む多頭飼育されていた犬たちの多くが職員さんやボランティアの皆さまによって保護されて収容されていました。しかしながら、今回の病気に感染していたため、殺処分の対象、犠牲となってしまいました。

この2匹は、以下のリンク先にあるように保護された時に居た場所が軽トラックのなかだったことが感染には至らなかったのか、収容後にもセンターの配慮で、現在まで子育て専用の場所に隔離されて、子犬を育てさせてもらえてきたからでしょう。


マザーとポリスの命よ繋がれ!
熊本県動物愛護センターの現場から

上の写真は、レプトスピラ症で亡くなった仲間の犬たちの事を知らず、子犬を育て、ボランティアの皆さんの優しいお世話により、人を理解し受け入れ、コミュニケーションをとれるようになり、トイレシーツにトイレまで覚えて出来るまでになった母犬、離乳食を食べれるようになった子犬の現在の様子です。


この2匹だけでも、今後も感染源ともならないように、適切な管理と必要な治療のもとに、晴れて「譲渡犬」となれるように、新しい犬生を得るチャンスへ繋がってほしい、繋げて欲しいことを熊本県、熊本県知事へと願っています。


このような事になってしまったのは、本当に残念でなりません。

なんとか防げなかったのかという思い、やはり悔やまれます。しかし、誰を批判したところで何にもならないのです。

• 収容後の健康診断や検査や治療
• 収容先の清潔な環境とお世話
批判ではなく、良いことをより良くを願い、二度とないことへの強い願いと提案、そして収容された犬たちのお世話への日頃の感謝を忘れずに添えて届けていきたいと思い、ブログにいたしました。


収容された犬たちの心に寄り添い、お世話をしながら譲渡犬となれるように時間と愛情を注ぐこと、その日々の思いと努力がどれほどのものか……
殺処分が減り、譲渡審査に合格して保護犬となれる犬たちの多さを知れば一目瞭然だと思います。

しかし、喜ばしいはずの殺処分ゼロの取り組みの一方、熊本県では現在、保護された犬たちが収容場に溢れています。

行き場も決まらない状態の犬たち
次々と保護される犬たち
悲しいことに
悔しいことに
押し出されるように殺処分を行わなければならないほどの状態なんです。

たびたび八代保健所のボランティアの方のブログから皆様にお話をしていますが、こうした現場の状況、現場での努力や思いや声、犬たちの実情に目を耳を傾け理解を寄せる私たち飼い主が増えれば……。

八代保健所 寒い朝しつこいほどの朝


◼️ 殺処分ゼロ

私たちがしなければならないのは何でしょうか。

きっちりと良い飼い主をする事です。

適切な環境を整え、犬たちの健康を守り、迷子にしないための対策と飼育を心がけ、所有者の明示の義務を必ず守ることです。

万が一、迷子となり保護されたとき、飼い主不明の犬とすることにならないように、連絡をいただき迎えに行けるからです。

これが出来ていれば、運良く保護されても、行き場のない犬たちが収容場に溢れることもありません。

こうした最低限のことを当たり前に出来てる飼い主ばかりにならなきゃ、いつまでも殺処分ゼロなどにはならないし、不幸な犬たちは日本から減るわけがありませんよね。

何度だって、しつこくても
私はこれを伝え続けます。
犬たちへの愛情の示し方を理解してくれる人たちが増えれば
そう願い叶えられるまで諦めず。
Lovely days  CHIKA'S MIND TRIP



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