今年の4月で92歳になる私の母親は、高齢にもかかわらず、身のまわりのことはなんとか自分でできるのであります。

 

小学校の同級生はうちの母親を含めてあと2人しか生存しておらず、淋しいかぎりだと嘆いております。

 

そんな母親が最近、編み物を覚え、ホームごたつに入りながら、とにかくひまさえあれば編み物をしているのでありますが、「腰が痛い」と言いはじめたのです。

 

だれがどう見ても、長時間、猫背で編み物をしているのが原因だと推測されますが、なかなか治らないので、病院に行くこととなったのであります。

 

やはり92歳ともなりますと、骨粗しょう症気味なのであります。そして、お年寄りによくあるように、背中は猫背のように丸くなっています。

 

病院でレントゲン写真を撮ってみたところ、整形外科の先生からキッパリハッキリと言われたのであります。

 

「圧迫骨折してますね」

 

さらに、こう言われたのであります。

 

「お年を召され、骨粗しょう症気味の方にはよく起こるケースです。今日からコルセットを着けた生活をしていただきます」

 

で、いきなりコルセットを装着されることになったのですが、うちの母親は身長が140cm程度しかないのであります。

 

そのため、コルセットが大きく、また、猫背気味のため、装着にはかなりの無理があったのであります。

 

が、そこはコルセット会社の技師の人がいろいろと調節をしてくれるとのこと。1週間後に来られるとのことで、そのときに細かく合わせていってもらうことになりました。

 

ということで、その日は病院で着けられたコルセットのまま、いったん帰途についたのであります。

 

が、しかし、体に合っていないコルセットのため、移動の車の中でも「胸が苦しい」、「息ができない」などとつらそうな様子。

 

あまりにも嫌がるので、とりあえず外し、翌週、技師さんに調整してもらうまでは着けずにおくことにしたのであります。

 

そして、1週間後。

 

整形外科の再診でレントゲンを撮ったのであります。圧迫骨折の経過のチェックのためなのですが、コルセットをしていなかったために悪化していたのであります。

 

その後、コルセットの技師の方にできるだけ母親の体型に合うように短くセットしてもらい自宅へと向かいました。

 

が、その道中でもう「まだまだ苦しい」と母親が言うのです。

 

しかしながら、コルセットを装着していないと悪化することは目に見えていたので、もう一度、再調整をしてもらうこととし、母親にはそれまではなんとかがまんしてもらうことにしたのであります。

 

ところで、このコルセットの購入に関連しては、整形外科の先生からこんなアドバイスをいただいたのであります。

 

「平さんはまだ介護保険の認定を取っていませんね。介護認定を受けると、このコルセットの費用の9割が保険でまかなえますよ」

 

ということで、要介護認定というものを受けるハメになったのであります。

 

介護認定を受けるには、まず、うちの家の近所にある「すこやか安心センター」というところを、健康保険証に似た介護保険証というのを持って訪れます。そこで、母親の状況を説明し、介護保険を利用したい旨を申告します。

 

すると、介護保険証を取り上げられ、「書類を添えて申請します」と係の人に言われました。

 

で、それから、係の人がうちの母親の状態をお医者さんに確認するとともに、わが家にも認定委員の人がお越しになり、母親の状態をチェックするようなのです。

 

認定後は、その度合いに応じていろいろなポイントが使えるようなのですが、なにぶん初めてのことなので、勉強になることばかりなのであります。

 

これまではなんとか健康でいてくれたので、介護もほぼ必要がなかったわけなのですが、今後はいろいろと介護保険などを使っていくことになるようです。

 

最近、65歳になった私は、夜のおつとめにたいへん苦労しているのであります。

 

それも、深夜から明け方にかけて、何度も何度もということになれば、睡眠不足も激しいのであります。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

 

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なんで、こうなったのか‥‥。

 

それは、アライグマのせいなのであります。

 

うちの中庭にネコ用のカリカリを置いているのでありますが、そのカリカリをアライグマが漁りに来るようになったのであります。

 

そのアライグマが、どうも、わが家の屋根裏に住みはじめたようなのであります。

 

当初は「また野良ネコが子ネコを生むために入り込んだのかな？」と思ったのですが、それにしては足音が大きすぎる。

 

そういえば、わが家の近所で「アライグマが屋根裏に入り込んだ」という話はよく聞いていたので、「ついにうちもか‥‥」と悟ったのであります。

 

こう言うと、「屋根裏ぐらいなら、住まわせてあげたら？」と思われるかもしれませんが、ガリガリと天井裏で爪を研ぐわ、その勢いで穴を空けるわ‥‥。

 

長ぼうきあたりで天井をドンドンと叩いてみると、そのときはどこかに逃げていっても、30分も経てばまたやってくるのであります。

 

しかも、アライグマと『鬼滅の刃』の鬼は、日没から夜明け前までが活動時間なのであります。

 

寝ようかなと部屋の電気を消し、真っ暗になった途端に、ヤツらはうるさく動きはじめるのであります。

 

そもそも天井裏というのは、なかなか入り込めない場所なのであります。

 

しかし、以前にも野良ネコが入り込んだりしていたので、われわれ人間が認知していないスペースがきっとどこかにあるのでしょう。

 

そして、人によると、バルサンあたりでいぶり出すのが効果的だとの話があるのですが、その天井裏にどのようにしたらバルサンを設置できるのでしょうか？

 

どこかないかと押入の隅やらいろいろなところを探してみたのですが、天井板は打ちつけてあって、まったくもって動かないのであります。

 

しかしながら、天井の板にわずかながらスペースの空いたところがあったので（5mm程度）、そのスペースからキンチョールを噴射してやったのであります。

 

すると、な、な、なんと、逃げていったのであります。

 

「キンチョールはハエや蚊だけでなく、アライグマ撃退にも効果があるのか‥‥？」

 

よくよく調べてみると、アライグマはニオイに敏感で、ネコのカリカリなどは開封していなくとも、そこにエサがあると嗅ぎつけて、袋を食い破ったりするぐらいだというのです。

 

半面、敏感であるゆえ、キンチョールのような異臭にも激しく反応し、逃げていくらしいのであります。

 

「フフフ、これはいいことを知ったわい」

 

と、よろこんではみたものの、天井のあっちの隅っこなんかに居座られるとキンチョールも届かなくて効果がないのであります。

 

「かといって、アライグマを追い出すために、天井に穴を開けるのもいかがなものか‥‥」

 

この家を建てたうちの父親は、天井にけっこう良い板を使ったと、それを自慢していたものなのであります。

 

その後、いろいろな人の意見を聞いたところ、アライグマはやはりニオイに敏感で、着物の防虫用のショウノウが効くとのこと。さっそく買ってきて天井に設置したのであります。

 

今度もちょっとした隙間から入れただけなのですが、このショウノウ、ものすごいニオイを発するので、置いてから3日ほどはアライグマは来なかったのであります。

 

しかしながら、キンチョールのときと同じく一部のスペースにしか設置できず‥‥。そして、アライグマはどうも屋根裏の隅っこのほうにいるらしいのであります。

 

さらに聞いたところ、ヒトデの死骸は獣が激しく嫌がるニオイを発するのだとか。ということで、次の休みの日には、海岸に拾いにいこうかと息子と相談している今日このごろなのであります。

 

戦いは続く‥‥。

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