4 犬をおうちにお迎えする前に用意するもの。

 犬をおうちにお迎えする前に必要なものを揃えておきましょう。

 まず、サークルです。サークルの大きさは、クレートとトイレを設置しても間に遊べるスペースのあるくらいの広さがあった方が良いです。狭いとトイレを覚えにくいです。

 

 

 犬は、寝床を汚したくないので、基本的にはクレートの中(ベッド)で排泄はしません。ですから、トイレとベッドが離れていた方が良いのです。ただし、ショップでの生活が長かった子犬さんの場合、すでに寝床に排泄をすることに慣れてしまっていることがあります。そういう子の場合は、時間ごとにトイレで排泄をする習慣をつけてあげる必要があります。

 

 サークルには天井がある方が良いです。活発な子の場合、一度でもサークルの柵を乗り越えてしまったら、柵を乗り越えれば外に出れると学習してしまうので、柵を越えようと努力をするようになります。天井があれば、柵を越えることを覚えませんので、柵を越える経験をする前に、天井はつけるようにしましょう。(犬種によります。)

 

 必ず用意して欲しいのが、クレート(キャリー)です。クレートの扉を外せるものを選んでください。扉を外した状態で、サークルに設置します。クレートの中にはフカフカのベッドを入れてあげてください。

 

 犬の祖先はオオカミで、オオカミは洞穴の中で生活します。だから犬は狭いところが落ち着きます。ソファや人のベッドの下などに入り込むことが多いのもそのためです。

 

 ただ、生後9週齢以降の子犬さんは、怖がりになっていて、それまでにクレートに入ることを知らない場合、クレートに入るのを嫌がるかもしれません。その場合は、ベッドだけをサークル内に入れ、クレートは別の機会に慣らす必要があります。(無理やりクレートに入れないようにしましょう。)

 

 これ以外に、当然ながらフード、フードボール、水入れ、トイレ、ペットシーツ、ブラシなどが要ります。

 

 水入れに関して、サークルに設置すると子犬さんが暴れて、お水をこぼしてしまうことが多いので、給水ボトルを勧められることが多いです。私もそうでした。が、給水ボトルは飲みづらく、子犬さんによっては、よほど喉が渇かないと給水ボトルから飲まないことがあります。そうなると膀胱炎になってしまうので、できたらボウルのような水入れを使ってください。もしくは、給水ボトルでも、水が溜まるタイプのものがありますので、そちらを使っていただければと思います。(つづく)

3 どこから犬を入手する?

 犬の入手先は大きく分けて三つです。ブリーダーさんから直接お迎えする。ペットショップからお迎えする。もう一つは行政の動物愛護センターや動物愛護団体からお迎えする。この三つです。(最近は、子犬を拾ったという話はほぼ聞きません。)

 

 ブリーダーさんには、色々な方がいらっしゃいます。本当にその犬種が好きで、その犬種を大事に守っていきたいと思って家族のように大切に繁殖されている方、犬を金儲けの道具としか考えていなくて、いかにお金をかけずに犬を繁殖するかを考えている、いわゆるパピーミルという繁殖工場にしてしまっているブリーダーさん。動物の愛護および管理に関する法律による規制が厳しくなってきていますから、以前よりはマシになっているとは思いますが、どちらにしても、ブリーダーさんからお迎えする時は、ブリーダーさんのお家を見に行きましょう。実際に自分の目で見るのが一番です。その時は子犬さんだけでなく、必ずお母さん犬も見せてもらいましょう。

 

 お家をきれいに片付けても、臭いは隠せませんので、あまりにひどい臭いがする場合は要注意。それから犬の鳴き声ですね。たくさん犬を飼っていれば鳴き声を0にするのは難しいので、どう考えてもこの鳴き声はおかしくないかな?と思った場合は、そこからお迎えするのは辞めましょう。

 

 子犬の時期は社会化期と言われる大切な時期なので、母親犬と兄弟犬と穏やかに過ごしていること、そして人の手をしっかりかけることが重要になってきます。まぁ、少しでも不幸な犬を救ってやろうと思われる方は止めません。がしかし、お家に迎えてから、しっかり手をかけてあげてくださいね。

 

 次にショップです。ショップも色々ありますから、お店に行く時間を変えたり、色々な店員さんと話をして、ちょっと長い時間ショップに居座って、ショップの方がどんな風に子犬さんを扱っているのか観察しましょう。少しでも疑問があれば、質問をしましょう。質問の答えにさらに疑問を抱いた場合は、よく知っている人に相談しましょう。納得してからお迎えした方が良いと思います。

 

 最後に、動物愛護センターや動物愛護団体からお迎えする場合です。いわゆる保護犬ですね。私は、初心者の方には保護犬はあまりお勧めしません。しっかり相談に乗ってくださる方がいらっしゃれば良いですが。家庭から放棄された犬の場合、放棄された理由によります。問題行動があり放棄された場合、センターや団体さんがある程度しつけし直してくださっているとは思いますが、上手に対応しないと、同じ問題が出てくる恐れがあります。また、野犬の場合、普通の犬とは行動が異なりますので、ちゃんと野犬のことを知っている人に相談できる方が良いです。

 

 どの方法を選ぶにしても、犬には個性がありますので、一言でまとめることができるものではありません。お家でしっかり犬を観察して対応していく必要があります。(つづく)

2 一人暮らしや共働きで犬を飼っても大丈夫?

 子犬さんの時に、一人暮らしや共働きだと、その犬が将来歳を取ると分離不安になりやすいと言われています。しかし、本当のことはわかりません。

 

 犬は基本的に1日のほとんどを寝ていますので、一人暮らしや共働きであっても、朝の時間や夜の時間を使って、毎日犬とコミュニケーションを取っていれば、問題ないと私は思っています。

 

 サークルの中に、一人で遊べるように壊れないおもちゃを入れてあげましょう。運動量が必要な子は、朝にしっかり走ってエネルギーを発散させてあげてください。

留守の間の事故を防ぐためにも、犬は部屋の中を放し飼いにせず、中にフカフカのベッドを入れたクレートとトイレを設置してあげ、遊ぶスペースのある広めのサークルに入れてあげましょう。

 

 分離不安を防ぐためにも、朝、出かける時は声をかけずに出かける。帰宅時は、10分以上無視をし、手を洗ったり、服を着替えたりして、犬が落ち着いてから相手をするように心がけましょう。(つづく)

6)「5つの自由」について

自分が犬を動物福祉的に正しく飼養できているかどうかを確認するために「5つの自由」が使えます。この「5つの自由」は、元々は家畜のために作られましたが、今は広くすべての動物に当てはめて考えられています。

 

「5つの自由」

1)飢え・渇きからの自由

2)不快からの自由

3)痛み・負傷・病気からの自由

4)本来の行動がとれる自由

5)恐怖・抑圧からの自由

 

4の本来の行動がとれる自由というのは、例えば、穴を掘るような動物が穴を自由に掘れるようにしてあげることです。犬を飼っていると、人間の生活にはめ込もうと「あれはダメ」「これもダメ」と多くの制限をかけてしまいます。危険なことはダメですが、できるだけ犬のやりたいようにやらせてあげましょう。許容範囲をできるだけ大きくしてあげましょう。犬が人間と暮らすこと自体、不自然なのですから。犬と人、お互い、我慢できるところは我慢して、妥協してあげて、どちらかだけが我慢するということは避けましょう。(つづく)

4)最後まで飼えるのか(終生飼養)

  最後まで飼うつもりでいたとしても、世の中何が起こるかわかりません。実際に社長さんが犬を飼っていたけれど、倒産してしまってとても犬を飼う余裕は無くなったと言って、手放された方もいらっしゃいます。急に、事故や病気で入院生活になったり、亡くなってしまうこともあります。自分にもしものことがあっても大丈夫なように、施設を契約するとか、親や兄弟、友達にお願いをしておくとか、転ばぬ先の杖を用意しておきましょう。

 

5)犬種選び

  さて、いよいよ犬種選びです。先ちゃんは、友達のところで、アイリッシュセッターと触れ合い、アイリッシュセッターという犬種の話をたくさん聞かされたので、アイリッシュセッターを飼うんだ!と心に決めたようです。あなたはどうやって犬種を選びますか?

 

  多くの方が、見た目で犬を選んでいます。ショップで目と目があって「ビビッ」ときて、衝動買いされる方もいらっしゃいます。以前、消費者金融のC Mで、チワワさんのウルウル瞳を見て、衝動買いをするというものがありました。その後、そのC Mの影響で、チワワがものすごく流行りました。皇室の雅子さんがご成婚時、雅子さんがヨークシャーテリアを飼われているということで、ヨークシャーテリアが流行ったこともあります。そういう流行で犬を選んではいけません。見た目や流行ではなくて、犬種の特性を調べて、自分のライフスタイルや犬と一緒にどんな生活をしたいと思っているのかを考えて、それにあった犬種を選びましょう。散歩なんか行きたくないと思っている人が、カッコいいからと言ってボーダーコリーを飼わないようにしましょう。お互いに不幸になるだけです。(つづく)