ことばのダシの取り方 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

東京ことば磨き塾(7日)。

スピーチコンサルタントの矢野香さんをゲストにお呼びした。

NHKの地方局でキャスター経験を積んだあと、

政治家や経営者のスピーチ指導をしている。

指導のとき、繰り返し「一挙手一投足、意図をもって話す」と言う。

ノンバーバル(非言語)も含めて、信頼されるよう全力で伝える必要がある。

本物だから信頼される。本物とは何かとボクが質問すると、矢野さんはややあってから「かけた時間」と答えた。時間をかけて「ことばの出汁」をとるイメージ。

詩人の長田弘さんの「言葉のダシのとりかた」という詩がある。

言葉のカビを取り、言葉が透き通るまで削り、厚みのある意味を選び、

言葉のアクを取り、言葉の澄んだ奥行きだけを残す。それが言葉の一番ダシ。自分の言葉だけしか使えない。

この日は、「ことばのダシ」がキーワードになった。

 

最近、心の風邪を引いて、仕事を休んでいる小林くんが来てくれた。

彼が大学3年生からの付き合いだから、4年前から知っているが。かなり繊細だが、かなり優しい男だ。

小林くんを参加者全員で褒めてもらった。

「人を攻撃することはない優しさを感じる」

「一緒にいたい」

「確かなことを言ってくれそう」

「気配り気遣いの人」

「センター分けのおでこを見ていると聡明そう」

「服装に清潔感がある」

「お茶をさりげなく出してくれた」

小林くんも、いままで見せなかったような笑顔で聴いていた。

「よく、こんなに褒め言葉が出てくるもの。自分の知らないことも気づかせてもらえた」と感心感動していた。

みんな、いいダシを使った極上の褒め言葉を使い、小林くんを上機嫌にしてくれた。

嬉しいことばのシャワーを浴びた小林くんに早く元気になってほしい。

 

(矢野香さん)

(小林くん、絶賛ほめられ中)

(初参加のナミさんに絵本を読んでもらった)