今回は日米野球の裏面史、

1925年にアメリカからやってきた女子野球チームの

日本滞在の悲劇を95年を経った今に再度ご紹介いたします。

 

 

今はなき、荒川区尾久球場での
米国女子野球チームと日本大学野球部との
記念写真を偶然入手。
試合は大正14年10月23日に行われて、
日大が6-0で勝利した。

 

 

アメリカから来た女子野球チームは、
フィラデルフィア・ボビーズという。
日本に来たことさえ、あまり知られていないが、
現在は佐山和夫の「日本野球裏面史」に詳しい。

 

 

写真のサインはこのチームを率いた
元大リーガーのエディー・エインスミスと
アール・ハミルトンのものと思われる。

 

 

 

また、写真最後列の真ん中あたりの背の高い女性が
日本からアメリカに帰る船上で高波にさらわれ、
行方不明になった女性投手レオナ・カーンズかもしれない。
(日本野球裏面史のカバー写真がレオナ・カーンズ投手)

 

 

 

尾久球場は現在の都電荒川線・荒川遊園駅の
荒川遊園と反対側の住宅地になっている辺りにあった。

下町風情の残る荒川遊園周辺も、球場側の住宅地は
大きめの区画で整備されていて、なんとなく、
球場を解体したあとに、住宅街になったのだか?と
推理できる。集合写真の奥に当時の架線と電気線の
大きな鉄柱が見えるので路線から
そんな遠くない場所に球場があったように思える。

 

 

ちなみに尾久球場は東京帝国大学野球部が
主に使用していたそうだ。

 


野球殿堂入りしている。中野武二が尾久球場建設と運営に
関わっていたと言われている。

 

尾久球場での記念写真は、来日して最初の試合だったので
ボビーズとしては、負けたものの、明るい笑顔で写っている。
その後、興行的に失敗し、
米国に帰ることが困難な
状態になるとは夢にも思わなかっただろう。

 

 

現在、女子プロ野球も行われているが、今から
93年前に日本にやってきた女子野球チームが船で来たこと。
そして、荒川区には東京スタジアムと尾久球場という
野球史に燦然と輝く野球遺跡があったことを、
もっと知らしめて欲しいと思う。

 

 

 

 

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