皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

現在、令和2年船橋市議会第3回定例会が開会中です。

9月9日(水)に私の一般質問がありました。

テーマは3点。

(1)海老川上流地区のまちづくり

(2)来年度以降の財政見通しについて

(3)学校制服について

 

今日は、(1)海老川上流地区のまちづくりについて書かせていただきます。

この「海老川上流地区のまちづくり」は、組合施工の土地区画整理事業であると同時に、「ふなばしメディカルタウン構想」とも呼ばれています。

 

 

組合施工の土地区画整理事業ということは、基本的には、土地所有者たちによる民間事業ということになります。ちなみに、地権者の数は約200人。土地区画整理事業を実務的に進める業務代行者は、㈱フジタとなっています。

 

「ふなばしメディカルタウン構想」とは、医療や健康をテーマとした新たなまちづくりの考え方をまとめたものです。船橋市のHPによると、健康維持や予防医学等の考え方を活かしたまちづくりを行い、また、常に新しい技術・情報が入る医療や健康を加えることで、「進化し続けるまち(地域)」を実現します。これにより、子育て世代や高齢者をはじめ、市民の皆さんが元気に暮らし続けられるとともに、市内外からこのまちを訪れる人も元気になる、「健康寿命日本一」を目指す本市の健康・医療の中核となるまちを目指すものです。

 

このメディカルタウン構想の中心となる計画が、新しい船橋市立医療センターの開院(現在のセンターを移転・建て替え)です。

 

当初の計画によると、本事業は、令和3年度から、道路や公園、そして、宅地の開発をスタートし、令和5年度末には医療センターの開院、令和8年度を目途に東葉高速鉄道の新駅を誘致する予定でした。

 

▲㈱フジタが作成した事業予定地内のゾーニング図

 

しかし、この計画に大きな影響を与える事件が起こってしまいました。

船橋市(役所)は平成29年に締結した業務委託契約による委託会社より、海老川上流地区事業計画素案を成果品として受け取りました。この事業計画によると、土地区画整理事業は事業費総額約158億円と報告されていました。この報告に基づいて、業務代行者の募集を行い、㈱フジタが選定されました。しかし、その後、㈱フジタより、事業費総額に諸経費や消費税等約54億円が未計上ではないかという指摘があり、確認したところ、事実であることが判明しました。さらに、事業費総額に計上されていた工事費の一部の設計根拠が示されていないこともわかりました。これらの点について、市は業務委託契約による委託会社(*㈱フジタではない)に説明を求めているところですが、明確な回答は得られていないということです。しかし、事業計画素案を受け取った際に検査を行ったにもかかわらず、未計上に気が付けなかった船橋市(役所)にも責任があることはまた事実です。昨日の私の一般質問時には、市長はじめ、建設局長と担当部長による謝罪がありました。

 

さて、この事件と新型コロナウィルス感染症による海老川上流地区のまちづくり(土地区画整理事業及びメディカルタウン構想)への影響ですが、計画が遅れることになります。

 

①令和3年4月から開始予定だった事業地内の公園や道路、宅地等の造成工事は、令和3年9月以降になること。

②令和5年度末を予定していた新船橋市医療センターの開院は、できる限り早期を目指すものの、令和8年度を目指すこと。

 

現在、地権者の方々と㈱フジタは、158億円を大きく上回る額の事業計画を作成しているようです。しかし、船橋市としては、当初の事業費総額である158億円をベースに事業規模を考えているため、この範囲を大幅に超える金額(事業規模)となる場合、事業自体の継続性にも影響を及ぼしてしまう可能性もあります。したがって、現在、船橋市は、実現可能な事業計画が、地権者の方々や㈱フジタにより作成されるかどうか注視していますし、必要に応じて調整に応じている状況です。

 

土地区画整理事業の継続性にも影響を及ぼす(つまり、事業自体が瓦解してしまう)可能性もあると述べましたが、私自身は、事業の存続は可能だと思っています。なぜなら、そもそも㈱フジタは、業務代行者への応募の際に、158億円という当初の事業費総額を前提に手を挙げて選定されているからです。当初の事業費総額の範囲内で本事業を実施していただくことが理論的には可能なはずです(そうでなければ応札していなかったはずです)。

 

昨日の私の一般質問の最後に、本事業に対する市長の意思を確認しました(なぜなら、ふなばしメディカルタウン構想は市長の選挙公約の一つでもあるため)。市長からは、明確に、本事業を完遂させたい、医療センターをこの地に作りたいという決意の表明がありました。今後の注目点(チェックポイント)は以下の3点です。

①実現可能な(158億円という当初の事業費総額をベースとした)事業計画が作成されること

②令和3年9月までに、地権者により構成される土地区画整理事業の組合が結成されること

③本事業に対し、地権者から90%以上の本同意が得られること

今後、しっかりと注視してまいります。

 

▲㈱フジタが作成したふなばしメディカルタウンのイメージ図

 

▲㈱フジタが作成した土地利用計画図

 

2020年9月10日 船橋市議会議員 石川りょう

石川りょう公式ホームページ