東電の「でんき予報」 使用率100%超えたら即停電?
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110629/bsd1106292047012-n1.htm
2011.6.29 20:42

 東京電力は7月1日から、電力の使用状況を数段階に分けて予測する「でんき予報」を始める。電力の供給力に対する使用実績(使用率)をほぼリアルタイムに数値化し、翌日のピーク時供給力を予測するもので、ニュース番組やネットなどを通じて節電を呼びかけるが、どこまで上昇したら“危険水域”なのかは実は判然としない。そもそも100%に達したら、どうなるのか。(夕刊フジ)

 全国的な猛暑日となった24日、国内最高気温記録を持つ埼玉県熊谷市は午後2時すぎに39・8度を観測し、6月の最高気温を更新。埼玉県で70人、群馬県15人、栃木県17人、東京都15人が熱中症で病院に搬送された。

 こうしたなか、東電管内の電力需要は東日本大震災後、4日連続で最大を更新。ピークの午後2時台には4389万キロワットを記録し、東電が公開している最大供給力4790万キロワットに対し、電力使用率は91・6%に到達するなど、緊張が走った。東電は、電力の安定供給には常に8-10%の余力が必要としているからだ。

 これが100%に達した場合、一体どうなるのか。東電は「そうならないよう努力している。大規模停電という以外、具体的なことはわれわれも分からない」(広報部)と話すのみだ。 

 そこで、元東京農工大教授(電力システム工学)で日本クリーンエネルギー総合研究所理事長の堀米孝氏に聞いた。堀米氏は「停電の可能性はゼロではない」としつつも、こう話す。

 「理論上は、需要が供給を上回った時点から電圧、周波数が下がり始め、発電、輸送双方が正常に作動しなくなり、停電のリスクは高まります。ただし、もともと『でんき予報』のピーク時供給量は余裕を持った数値であるうえ、夜間の余剰電力を利用した揚水発電の数値は供給量の中にほとんど含まれておらず、100%で即停電とは極めて考えにくい」

 東電の「供給力」には実は十分な余力があるというのだ。

 「しかも、東電にはまだ『供給力』に含んでいない、いわゆる“隠し電力”もあります」(同)

 これは、東電の最大供給力7769万キロワット(2009年度末実績、他社受電分を含む)から、福島第1、第2原発の出力約900万キロワットを差し引いた6869万キロワットとの差分のこと。東電は、これまでホームページで公開していた電源別の発電実績資料を削除しているが、計算上は供給電力に十分な余裕があるとみられる。

 実際、東電関係者は、「公開している『本日のピーク時供給力』は、東電が決めた目安に過ぎず、本来の供給力とは関係ない。節電意識を促すために恣意的に下げていると指摘されても仕方がない」と内情を明かす。

 経済アナリストの森永卓郎氏は、「東電によると、ピークを迎える8月までに500万キロワット程度上積みできることになっています。従って、先週の猛暑程度であれば、十分に乗り切れるわけです。節電よりも体のほうが大事ですから、暑いと思ったら、迷わずエアコンを使ったほうがいいですよ」と語る。

 もー、隠し電力とかいい加減にしてよ産経までorz
 産経の見識に期待する方が馬鹿と言われてしまえばそれまでですが。

 この2009年度の最大供給実績って数字に目を奪われ、火力だけでも足りると勘違いしてる人も多いようですけど、実際には火力も震災で甚大なダメージを受けており、特に原発災害の非難指示圏に含まれている広野火力発電所については、復旧状況の報道すらないという有様。
※Twitterで「広野は復旧進んでるよ」との指摘受けました(電気新聞:広野火力 運転再開に向け工事大詰め)

 他の火力は徐々に復旧しつつあるとはいえ、単純な計算で足りる!ってのは無責任じゃないかと思います。
 また、最大供給実績というのが、どれだけ持続できるかどうかも謎。発電機に限らず、機械というのは24時間フルパワーで回していては、すぐに壊れてしまいますし(人間も同じ事ですが)。
 例えば、今日は発電機Aを使ってBとCは点検整備、明日は点検が終わったBを動かしてAは停止なんて運用が常時行われているんじゃないかと思われます。また、細かい故障で発電機本体は動いていても、送電は一時的に休止させる必要も、随時出てくるんじゃないかとも想像出来ます。
 つまり、東電が出している供給可能容量というのは、ほぼ確実に供給できる電力の合計値と考えるべきであって、この記事で『隠し電力』とか言われてるような発電設備は、使わなければそれに越したことがない、最後の保険のようなもんじゃないでしょうか?それも、どこまで当てに出来るか解らない性質の。
 その他の貯水量で追加利用の可否が左右される揚水発電や、廃止寸前のを無理矢理復旧させて、コンディションが不安定な火力など、カウントされていない発電施設を『隠し電力』などというのは勝手なんですけど、緊急時に実際に稼働できるか目処が立たない施設をカウントし、それを真に受けて需要が鰻登りになった結果、大停電を引き起こす方がよっぽど問題だと思います。


 駄法螺を掲載しても責任を問われないメディアや、エセ学者やエセジャーナリストの言うことと、電力供給に責任を持ち、大停電でも引き起こしたらその責めを一身に受ける事になる東電をはじめとする電力会社、どちらを信用すべきかと言ったら自明の理だと思いますよ。
 まあ、東電は東電で、火力発電所のページを停止してたりと、情報公開に色々と問題があるのは確かなのですが。こーいう馬鹿な学者様やジャーナリスト様を黙らせるためにも、現在の状況を包み隠さず公開した方が、東電の得になりそうな気はするんですけどねぇ…


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