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仕事の〆切りが近づくとブログを書いてしまうトシ。

高校生なら定期試験の前夜に部屋の模様替えを始めて朝を迎えるタイプであり、中学生なら運動部の試合の前日に走り込みを行なって筋肉痛を起こすタイプであり、小学生なら遠足の前日に遠くのお菓子屋さんに行ってひとり遠足を実行してしまうタイプである。

前の記事に関して少なからぬ読者諸氏が実話(リアル)か夢物語(フィクション)かケムに巻かれた様子なので、この記事では前記事で用いた8枚の画像に説明(figure caption)を加えて物語が実話かどうか読者の判断を仰ごうという趣向である。



1.東京オペラシティ


東京おぺらしてぃー¥

「東京オペラシティ」は超高層ビルのほとんどが民間企業のオフィスである。アップルジャパン、マイクロソフト、その他、名だたる企業がオフィスを構えている(アップルとマイクロソフトは移転済み)。記事に書いたように金融(銀行・証券・生保)関係の企業、たとえば「みずほ総研ソリューションビジネスエンタープライゼズ(仮名)」も入っている。一方、「東京パークタワー」はかなりの部分をホテルが占めておりオフィスの数は比較的少ない。また「東京都庁」には民間企業のオフィスはまったく入っていないと伝え聞く(←当たり前)。オペラシティはまばゆいばかりの内装であり田舎モンが初めて入ると口をあんぐりと開けて吹き抜けの天井を見てしまう。なぜ私がそんなにオペラシティに詳しいかと言えば、元カノがこのビル内のオフィス勤めで休日に一般人立ち入り許可区域を案内され、口をあんぐり開けていたのが他ならぬ田舎モンの私だからである。したがって「東京オペラシティ」は私にとって間違いなくリアルである。

話が前後するが、銀行2階のご相談スペースは下のようになっている。


1.銀行2階のご相談スペース

案内板が示すように、銀行の2階は外貨預金や貸金庫のご相談スペースであって半個室がずらりと並んでいる。ここで1年365日24時間、錬金術師と守銭奴が奸計を巡らすのである(銀行は上客の都合に合わせて時間外の相談を受ける)。
「みずほ屋、そちもなかなかのワルよのぅ。」
「いえいえ、お代官さまには勝てませぬ。」
「なーにをこしゃくなw」
「お代官さま、こちらが黄金色(こがねいろ)の饅頭にございます。」
「これ、みずほ屋、それを早く出さぬかw ところで例のモノは算段できておるな。」
「ははっ、万事手抜かりなく。」
奥のふすまを開くと布団が敷いてあり傍らに年端もいかない女が正座して深々とお辞儀をしている。そういうのが銀行の2階である(ホントかぁ?)。当然ながらリアリティーをもって私は経験している(だから写真を撮れた)。ただし残念ながら枕営業を受けた経験はまだない。もっと大口の投資家にならねば。


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2.何やら経済学に関係がある数式

2.金融工学ブラック=ショールズ方程式

これはブラック=ショールズ方程式と呼ばれるもので「世界を変えた24の方程式」のうちのひとつである。金融工学のさきがけとなったということで考案者のマイロン・ショールズは1997年ノーベル経済学賞を受賞している。大学・大学院の経済学でもこの方程式がカリキュラムの到達点のひとつとなっている。しかしその罪は大きい。アメリカの大手証券会社などがこの式を錦の御旗に暗躍して現在の強欲資本主義・ハイエナ資本主義に弾みをつけたからである。

私自身は経済学を専門とするものではないが大学の体育会の先輩(経済学部所属)に宿題を手伝わされた経験がある。経済学が大学初級・中級の数学を使っていることを私は実体験として知っており、その意味でブラック=ショールズ方程式などの数式は私にとってリアルである。


2.経済学数学


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3.アンモナイトと水着の女性

3.フィボナッチ対数らせん

英語タイトル「Fibonacci Spiral」にあるようにアンモナイトの成長の様子も女性の髪の毛から滴る水も「フィボナッチらせん」または「対数らせん」と呼ばれるものである。前記事では元本と元利合計から利率を求めるのに対数を使ったが、アンモナイトの成長結果と成長率は対数の関係にある。殻の小部屋ひとつひとつの成長ステップは、
1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, …
のような数列で表される(フィボナッチ数列)。この数列がどのような規則にしたがっているかお分かりだろうか。答を言ってしまえば、第3項目から、
1+2=3, 2+3=5, 3+5=8, …, 34+55=89, …
のようになっている。この規則を一般化して表現するには3項間の漸化式を使うことになる。すなわち、(n+2)番目の項 a_n+2 を(n+1)番目の項 a_n+1 とn番目の項 a_n で表すと、
a_n + a_n+1 = a_n+2 (初項 a_1=1, a_2=2)
この漸化式から一般項 a_n の表式を求めることは高校数学の練習問題であるから受験生は解いてみて頂きたい。計算の結果、
a_n = [ {(1+√5)/2}^n - {(1-√5)/2}^n ]/√5
となる。ここで現れた (1+√5)/2 = 1.618… は黄金比と呼ばれ、自然界で進化した人間の美意識を支配している。

自然界と言えば、下の図のように、黄金比1.618は植物の葉が根元から上に向かって横方向に突き出している様子(葉序)を規定している。


3.葉序

これは葉っぱが重なることなく少しでも多くの日光を浴びるように進化した結果である。このように黄金比が自然界に広く見られる秩序を表す数字であることは、進化の結果として獲得された人間の美的感覚と関連していると考えられる。上の写真における水着の女性は人間の美意識のひとつであるエロスを象徴しているのであろう。このようにフィボナッチらせん(対数らせん)に秘められた黄金比は意識する・しないに関わらず人類にとってリアルであり、年利計算に使われる対数は誰にとっても身近な存在なのである。

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4.ハムエッグ


4.ハムエッグ


何のことはない。私が作った得意料理である。目玉焼きを得意料理と言っている時点で料理が不得意であることが分かる。今際の際で(いまわのきわ、「忌まわのきわ」の当て字)「奥さん(またはつきあっていた彼女)のハムエッグが食べたかった…」と嘆くことは私には無いだろう。ただ彼女の名前を呼び続ける。
「ゆ、ゆ、優子……あ、愛子…涼子…景子…真知子…和美…宏子…………真由美。」
何人の女性とつきあってたんだという話であり、末期の床(まつごのとこ)で看護師さんが呆れ果てるパターンである。


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5.大手消費者金融の看板


5.消費者金融大手5社


ネットから取って来た大手消費者金融5社の看板そろい踏みである(ポケットバンクはプロミスに吸収済み)。「アモーレ・プアー」(アコム・モビット・レイク・プロミス・アイフル)という高利貸しの名前を思いついたが「(ザ)プアー」(貧乏人)なんて社名に使うかというと「スタンダード・アンド・プアーズ」という米最大手格付け会社があるのでリアリティーがある。格付け会社ほど胡散臭いものはない。守銭奴(投資家)はその格付けを考慮して投資を行なうから、格付け会社は守銭奴の上前をはねる鬼畜生(おにちくしょう)である。なお、現在の消費者金融の利率は最高20%(10万円の貸付まで。10~100万円では18%)だが、それ以前は54.75%(~1992)、40.004%(1992~1994)、39.931%(1994~2000)、29.2%(2000~2010)だった。現在、20%を越える金利は違法であるが闇金で何の罪の意識もなく見られる。私自身は直接に消費者金融のお世話になったことはないが、海外旅行中に手持ちの現金が少なくなってカードでキャッシュを引き出したら消費者金融を通して30%近い利息を請求されたので間接的に消費者金融を使ったことになる(のかな?)。また闇金にも手を出したことはないつもりなのだが、アイフルの子会社のライフカードでカードを作って支払を延滞したら暴力団が朝に夕に何回も何回も電話をしてきて困った。「大阪の田中やけどお前どういうつもりや!」って大阪に田中という知り合いはいない。そんなこんなで消費者金融・闇金は私にとって身近な存在である(有難くないなぁ)。

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6.ネットカフェ難民などを視察する総理


6.政治家の視察

好き好んでネットカフェで寝泊まりしているわけではないことが分からないどうしようもない政治家(+役人)の視察例である。民主党菅総理もトンデモだったが自民党麻生総理(ハローワーク視察)も救いようがないバカボン(バカなボンボン)だった。政治家は自分でネットカフェに泊まってみたら良い、私みたいに(って泊まったんかーい)。そういうわけで私にとってネットカフェ難民は同じ釜の飯を喰った仲間ならぬ同じドリンクバーを飲んだ仲間である。しかしネットカフェ暮らしはたぶん1週間は無理だろうと感じた。

その前の募金活動の男子高校生の話はほとんど実話で募金箱を取り上げなかった(激昂しなかった)だけのことである。ニヤニヤしてたのは高校生でなく、出て来た(陰で見ていたと思われる)高校教師であった。
「教師を見たら 世間知らずと思え」
「先生と呼ばれるほどのバカは無し」
どうしようもない高校教師に先導される生徒もかわいそうなもんである。


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7.ドヤ街の50円自動販売機


7.ドヤ街の自販機

これは私がドヤ街に滞在していた時に撮った写真である。50円でジュースが売られていることに驚き、感動し、喜び…やがて悲しくなった。もっとも「ブランド物」(UCCコーヒーやサンガリア)は70円とか60円だったりする。その他、ドヤ街滞在時に撮った写真を下に示す。

7.ドヤ街点描

治安が悪い夜に撮影を敢行。妖しく光る「50円~自販機」発見。医療連絡会議というたぶん民間団体の建物もボロい。ホテルは一泊1,000円前後のものもあり福祉物件とやらもある。
「こんなことじゃいけない…」
とひとり反省して私は更生相談所を訪ねた(訪ねただけで中には入らなかった)。そんなわけで私がドヤ街に滞在したのは事実である(滞在期間は秘密)。


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8.証券会社前で眠る路上生活者


8.野村証券前のホームレス

駅コンコースから商業施設に向かう通路の柱の陰で眠る路上生活者たちに私はすっかり溶け込んでいた。特に名を秘す日本最大手の証券会社の「資産運用で幸福な相続を」みたいなポスターの文字が見て取れるだろうか。資産とまったく無関係の人達がそんなポスターの前で眠る資本主義の厳しさを告げる写真である(かと言って共産主義・社会主義が良いとは絶対に思わない)。現実の資本主義とはこういうものである。

最後の段落で私にリンゴをくれた女性はあるブロガーさんをモデルにしている。毎日リンゴを食べるという清楚な女子大生(予定を含む)が誰であるかは本人ならもしかすると気がつくかも知れない。彼女は私にとって天使に見え、その天使から類推される天国・神であり、天地創造の神は「アダムのリンゴ」という禁断の果実(毒リンゴ)と深い関係にある。



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以上、ウソかマコトか分からない前記事に使った写真の説明をした。私は小説家のように何もないところから物語を編み出せるほどの才能はない。しかし記事に書いたひとつひとつのエピソードが実体験だからこそ記事の信ぴょう性を高めている。たとえば前記事の冒頭の銀行員氏の出世物語(「そんな他人のことはどうでも良い」の前の部分)は本当にどうでも良いように思えるエピソードなのだが、最後の、
「銀行に相談に行ったことも何もかもリンゴひとかじりの浅い眠りの中で見た夢で良かった。」
の布石になっている。全体を通して夢にしては妙にリアリティーがあるというためには具体的なエピソードを書くことが有効であるが、どうでも良い出世物語がリアリティーを担保しているのである。

前の記事の何が事実で何が虚構なのかと言えば、エピソードのディーテイル(詳細部分)は事実、しかし全体のストーリーは虚構である。逆にディーテイルがウソっぽかったり事実に反することを書くと小説に限らず文章は信用できないものになる。多くのトンデモ科学者の話が信用できないのは細かい部分に事実誤認があったりするからである。ディーテイルを固めることで受け手はフィクションでも感情移入できる。
「講釈師 見てきたような嘘を言い」
言い得て妙である。